「Linux」でコマンドラインの入力を容易にする2つの機能–タブ補完とコマンド履歴
今回は「「Linux」でコマンドラインの入力を容易にする2つの機能–タブ補完とコマンド履歴」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
「Linux」OSについては、さまざまな誤解がある。何を行うにも、あらゆる種類の複雑なコマンドを実行する必要がある、という誤解もその1つだ。確かに、それは少し前まで事実だったかもしれないが、現在のLinuxには当てはまらない。
コマンドを1つも実行せずに、Linuxを一生使い続けることも可能だろう。Linuxデスクトップはそれだけの進化を遂げてきた。
ただし、一部のユーザーにとって、Linuxのコマンドラインインターフェース(CLI)が提供する強力な機能は魅力的だ。Linuxを何十年も使ってきた筆者は、今でも特定のタスクを実行したいときは、コマンドラインを使用する。
なぜなら、CLIを使うことで、効率を大幅に高められることがあるからだ。Linuxのコマンドラインをより使いやすくする機能の格好の例として、読者の皆さんが知っておくべき機能が2つある。タブ補完とコマンド履歴だ。本記事では、それら2つの機能について解説する。
必要なもの:これに必要なのは、実行中のLinuxインスタンスだけだ。どちらの機能もあらゆる種類のLinuxディストリビューションに含まれているので、使用するディストリビューションは何でも構わない。
例えば、何らかのコマンドを実行する必要があることは分かっているが、そのコマンドの名前を思い出せないとしよう。コマンドがsysで始まることは覚えているが、それ以外のことは分からないといった状況だ。
ターミナルウィンドウが開いたら、「sys」と入力して、キーボードの「Tab」キーを押す。これで、システム上のsysで始まるコマンドがすべて表示されるはずだ。
リストを調べて、必要なコマンドを探してほしい。
さらに素晴らしいことに、コマンド全体を入力する必要もない。例えば、探していたコマンドがsystemctlだったとしよう。「systemc」と入力して「Tab」キーを押すと、コマンドの残りの文字が自動的に入力される。
この小技は、systemで始まるコマンドがこれほど多くなければ、もっと効果的に機能するだろう(タブ補完をsystemctlで機能させるには、最後の2文字以外のすべての文字を入力する必要があるからだ。例えば、ネットワークでフォルダー共有にアクセスするために「Samba」を使用している場合、「smbc」と入力して「Tab」キーを押すだけで、smbcontrolコマンド全体が入力される)。
あなたは、最後に入力したコマンドを覚えているだろうか。それが複雑なコマンドだった場合、もう一度入力したいとは思わないかもしれない。それを回避するには、ターミナルウィンドウを開いて、キーボードの上矢印を押すといい。最後に実行したコマンドが表示されるはずだ。上矢印をもう一度押すと、その前のコマンドが表示される。キーボードの上矢印を押し続けると、実行したコマンドの保存履歴全体を確認できる。
実行したいコマンドが見つかったら、そこでスクロールを停止して、キーボードの「Enter」キーを押す。コマンドを入力した場合と全く同じように、そのコマンドが実行される。この小技は、複雑なコマンドを入力する気がしない場合や、以前に実行したコマンドを正確に思い出せない場合に、非常に便利である。
筆者は今でも、これらの小技をLinuxで利用している。コマンドラインを使用する負担をいつも少しだけ軽減してくれるからだ。読者の皆さんも、これらの便利な小技を使い始めれば、LinuxのCLIを使用することに対する不安が和らぐだろう。