“CXネイティブ”のZendeskに聞く、生成AIで進化するカスタマーサービス
今回は「“CXネイティブ”のZendeskに聞く、生成AIで進化するカスタマーサービス」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営、トップインタビュー等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
コンタクトセンター基盤を提供するZendeskは、2007年にデンマークのコペンハーゲンで創業以来、顧客体験(CX)の向上に主眼を置いている。
同社は2009年、米国サンフランシスコに本社を移転。2013年に日本法人を設立し、2023年時点で160カ国に展開している。全世界の顧客は10万社以上に上り、国内ではサイバーエージェント、NTTドコモ、神戸市など多岐にわたる。
Zendeskが提供する製品群「Zendesk Suite」の特徴として、「オムニチャネルへの対応」と「外部システムとの連携」がある。既存の顧客関係管理/営業支援システム(CRM/SFA)などと連携することで、オペレーターはユーザーの購買履歴などを把握した上でコミュニケーションを始められる。
Zendeskは以前からCX向上に向けてAIを活用してきたが、5月に生成AI機能を含む「Zendesk AI」の提供を開始した。Zendesk日本法人 社長の冨永健氏に、Zendesk AIで実現することやCX向上と業務効率化の関係を聞いた。
Zendesk AIは、Zendesk Suiteの拡張機能として提供される(図1)。「オムニチャネルへの対応と外部システムとの連携は非常に重要。これらを土台にAIを搭載すると、多くの作業を自動化できる」と冨永氏は説明し、「素晴らしいことに、AIは24時間体制で働いてくれるので、ユーザーは自身の都合が良いタイミングで問い合わせできる」と語る。
Zendesk AIは匿名化・学習済みのデータを基に、自社AIとOpenAIの「ChatGPT」をエンジンとして活用しており、顧客は導入後すぐに利用できる。自社AIには、教師データとして年間約3.2兆に上るZendeskのトランザクションデータが用いられている。
業界によって必要となるデータは異なるため、Zendesk AIは「ソフトウェア」「金融」「小売(実店舗)」「EC」それぞれに特化したデータを提供しており、2023年後半には「ゲーム」「社内ヘルプデスク」「観光・ホスピタリティー」向けのデータを追加する予定。今後は、顧客独自のデータを学習させるカスタマイズ機能の提供も見込んでいる。
現在、好評を得ているZendesk AIの機能として「インテリジェントトリアージ」と2023年9月時点で国内未提供の「マクロ提案」がある。インテリジェントトリアージは、ユーザーからの問い合わせに対し、AIが「目的」「言語」「印象」を分析し、これまでオペレーターが行っていたトリアージ(優先順位付け)の作業を代行する。AIは問い合わせを適切な部署やオペレーターに割り当てることで、CX向上と業務効率化を可能にする。
マクロ提案は、Zendesk AIの分析機能を用いて返信の候補を自動で提案し、同一画面内の別パネルにテンプレートとして提示する。これにより、オペレーターが返信にかける時間を短縮する。
OpenAIとの連携機能は、問い合わせ内容を要約するとともに、返信としてオペレーターが要点を入力するとAIが肉付けし、適切な文章を作成する。文章のトーンを変更することも可能で、親しみやすい/フォーマルな文面などに変換できる。オペレーターは修正点がないかを確認したり、時に工夫を加えたりするだけで返信が完了する。同機能は、Zendesk AIの拡張機能を購入すると、OpenAIへの支払いは不要で利用できる。