サードパーティークッキー廃止後の広告環境にどう対応すべきか–マーケターが知っておくべきアプローチ
今回は「サードパーティークッキー廃止後の広告環境にどう対応すべきか–マーケターが知っておくべきアプローチ」についてご紹介します。
関連ワード (マーケティング等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Criteoでは、クライアント(広告主)から「サードパーティークッキー廃止後の広告環境にどう対処すべきですか?」という質問をよく受けます。インターネットの黎明(れいめい)期以来、サードパーティークッキーは関連性の高い広告の配信を可能にし、デジタル広告のエコシステム全体であらゆる関係者がつながるための「共通言語」を提供してきました。この共通言語は、2024年にかけて段階的に廃止される予定です。
これにより、マーケターと消費者とのコミュニケーションが困難になるのではないかと懸念されています。しかし、こうした状況においてもなお、多面的で適切なアプローチをとることで、マーケティングキャンペーンのエンゲージメント、計測、最適化が可能でアドレサブル(ユーザーを特定できる)な未来を切り拓くことが可能です。
サードパーティークッキーという共通言語が消滅したら、マーケターやメディアオーナー(媒体社)は消費者とどうやって最適なコミュニケーションをとればよいのでしょうか。この尽きない疑問に対処すべく、Criteoはこれまでもさまざまな新しいアドレサビリティーソリューションの開発に投資してきました。
いずれのソリューションも規模、精度、経済面だけでなく、エコシステム全体のプライバシー保護の観点からもパートナーのニーズに応えるものです。本記事では、アドレサビリティーの未来にどのようにマーケターがアプローチしていくべきかについて紹介します。
Googleが「Chrome」でのサードパーティークッキー廃止を発表したのをきっかけに、多くの企業が代替手段となる独自の識別子を強化しました。その流れから明らかなことは、私たちはただ「単純に置き換える」だけの代替手段は求めていないということです。これらの識別子は大抵が確率的なものであり、ゲートキーパーやブラウザーでの制限に依存しているため、全てのステークホルダー(利害関係者)にとって持続可能なものとはいえません。
つまり、多くの企業が単一の組織の範囲内でアドレサビリティーを最大化しているものの、エコシステムの他の部分と相互運用できず、規模を制限してしまっている状態です。識別子が相互運用できるようにならない限り、独自の言語が多発的に利用されることによって、業界の分断を招くことにもなりかねません。
アドレサビリティーの未来は、単一のブランド識別子に依存するのではなく、消費者の同意に基づいた拡張性のあるオープンソースのソリューションの基に構築されるべきです。また、マーケティング目的でのメールアドレスの共有を許可するアドレサブルな消費者に直接リーチできることに加え、非ID依存型のソリューションを統合して、IDを持たない非アドレサブルな消費者にもリーチできるソリューションであることも重要です。
これらのソリューションは、デマンドチェーンとサプライチェーンにまたがって機能し、消費者に大きな価値を提供すると同時に、マーケターがより優れた成果を達成できるようにサポートすべきです。
多様なソリューションが必要であることから、マーケターはターゲティング広告を用いてアドレサブルな消費者には直接、非アドレサブルな消費者には多面的なアプローチでエンゲージする必要があります。このアプローチの中核となるのが、ファーストパーティーデータのマッチングです。
ブランドは、独自のファーストパーティーデータを、ファーストパーティーのコンテクスチュアルシグナルを含む他のデータセットと統合することで、ターゲットオーディエンスへの理解を深め、カスタマイズされたメッセージを届けることができ、優れた成果を収められるようになるでしょう。
また、仮名IDであるハッシュ化されたメールは、プライバシーを保護した上で個々の消費者を識別する有効な共通手段であることが証明されています。つまり、個人を特定可能な情報を収集することなく消費者を識別できるようにする、いわば技術的な「ペンネーム」です。
この「ペンネーム」は、複雑な統合やパートナーシップを必要とせずにマーケターとメディアオーナーのデータセットのやりとりを可能にする唯一の「ユニバーサルツール」です。ハッシュ化されたメールは、デマンドサイドとサプライサイドのデータを照合させることで、統合されたIDという共通言語に支えられたエコシステムを構築することができるため、ターゲティングおよび計測を広範囲に可能にします。
Criteoのクライアントの中には将来を見据えたアドレサビリティー戦略を立てつつ、同時にハッシュ化されたメールを利用して既にパフォーマンス向上を達成している企業もあります。インターネットのほぼ4分の1が既にサードパーティークッキーを使用せずに運用されている今、こうしたクッキーのサポートを終了したブラウザーによって意図せずともA/Bテストを実施しているような環境が構築されているのです。「Safari」や「Firefox」がこうした環境であるのに対し、Chromeは現時点ではクッキーが運用されています。
Criteoの全社規模での取り組みの一環として、多面的なアプローチの下、それぞれのソリューションが相互作用しながらアドレサブル/非アドレサブル両方の消費者とのエンゲージメントを高め、関連性を高めるソリューション群の開発に注力してきました。
さらに、私たちはChromeともプライバシーサンドボックスで連携し、精度と規模、経済的な成長を実現できる、プライバシーに配慮したソリューションをクライアントに提供することを目指してきました。
プライバシーサンドボックスは、Chromeと「Android」アプリ内エコシステムに対応しています。Googleはこの両方について、TopicsやProtected Audiencesといったオーディエンス定義/入札ソリューションと、Attribution Reporting APIなどのレポート作成/キャンペーン最適化ソリューションを提案しています。
Chromeではトラフィック全体の5%でこれらのソリューションの利用が可能となっており、Criteoはこの環境を利用してプライバシーサンドボックスで大規模な入札・配信を行っています。今後もCriteoはプライバシーサンドボックスの最大規模のパートナーであり続け、生産的なコラボレーションを通じてこれからも前進し続けます。Criteoはまた、入札、レポート作成、アトリビューションの基本機能をテストしているほか、IAB Franceや World Wide Web Consortium(W3C)のような業界団体や規制当局とも直接協力しながらマーケターの具体的なニーズへの対応を進めています。
プライバシーに配慮したCriteoのAIは、高い価値を備えた堅牢なコマースデータセットを構築する数十億のデータポイントから学習します。データとAIの相互関係により、ショッピングジャーニーのあらゆるチャネル、デバイス、ステージで潜在顧客を効果的に発掘するとともに、クライアントのファーストパーティーデータを強化します。そして、クライアントのデータに微妙なニュアンスを加えることで、独自のファーストパーティーデータの域を超え消費者の購入・閲覧行動に関する包括的なファーストパーティーデータを提供します。