ガバメイツやISIDら5社、中小規模自治体向けの業務標準化モデルを共同開発
今回は「ガバメイツやISIDら5社、中小規模自治体向けの業務標準化モデルを共同開発」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営、持続可能な地域社会を目指す「地域DX」等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
ガバメイツ、アルティウスリンク、大日本印刷(DNP)、電通国際情報サービス、RPAテクノロジーズは11月7日、自治体に向けた「業務標準化モデル」の構築および、SaaS型の業務改革支援サービスの開発・提供に関する基本合意書を締結した。同日に開催された記者発表会では、ガバメイツ 代表取締役の別府幹雄氏が協業の背景と事業の取り組みについて説明した。
5社は中小規模の自治体に向けて、(1)業務標準化モデルの開発と展開による業務改革(BPR)や業務の標準化支援、(2)SaaS型業務改革支援サービスの開発・展開による共同利用可能なデジタルやビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の提供――を行う。
(1)では、ガバメイツが300以上の自治体を対象に実施した業務量調査から得た「全庁業務量調査データ」を基に、業務分類(55種)と作業分類(38種)で類型化する。その中で、職員の業務負荷が高く、デジタル活用効果が高い業務を抽出し、業務別に最適な業務フローを作成するという。
さらに、最適な業務フローを実現するために、システムやBPOなど各種ソリューションの最適な組み合わせを作成する。これらを活用することで自治体は、業務時間の削減かつ費用対効果の高いデジタルやBPOの導入につなげられるとしている。
(2)では、(1)で構築したテンプレートを活用し、自治体間で発生している業務差異を減らし、従来は自治体単位で利用していたシステムやBPOを複数の自治体で共同利用できるようにする。また、各種ソリューションの選定は地域のシステムインテグレーター(SIer)が提供するソリューションや地域人材の活用により、地域での雇用の創出にも貢献するという。
愛媛県では先行して、全20市町の自治体を対象に27種の手続き業務を標準化し、統一された方法で手続きできるデジタル基盤「愛媛モデル」を構築。5社は同モデルを基に、SaaS型業務改革支援サービスの対象業務を拡大していくとしている。
先行事例である愛媛モデルは、業務負荷が高く定型で、デジタル化の効果が得られやすい作業として「審査業務」と「データ入力」を抽出した。そこから「標準業務フロー」「標準審査ルール」「標準帳票」を業務標準化モデルとして作成し、業務の標準化とサービス導入を実施した。これにより、職員の業務効率や市民サービスが向上したという。
少子高齢化やデジタル技術の発展により、自治体では基幹業務システムの標準化やデジタルの活用による公共サービスの維持、住民サービスの多様化・デジタル活用など、さまざまな施策に追われている。
一方で自治体は、「システム導入やBPRにリソースを割く余力がない」「6割以上が公務員でなくても実行できる業務(ノンコア業務)であるにもかかわらず、正規職員が実施せざるを得ない状況にある」といった課題を抱えているという。
別府氏は「デジタルを活用することで、本来公務員でなければできないコア業務に時間を充てることができれば、市民サービスの向上につながるのではないか」と指摘。また中小規模の自治体を対象にしていることについては、「5万人以下の中小規模自治体が人材不足や資金面などで(デジタル化の推進に)課題を抱えている。取り残されている小さな自治体からデジタル化を積極的に進め、共同利用を推進していきたい」と話す。
今後、5社は同サービスの開発と全国の自治体に向けた展開を目指す。また、ガバメイツが提供する、自治体のBPR支援を行う専門チーム「シェアードCIO」を通して、複数の自治体が共通で業務を標準化し、複数自治体でのシステムやBPOの共同利用を推進するという。