Snowflake、生成AI関連の新機能など「Snowday 2023」の発表内容を日本向けに説明
今回は「Snowflake、生成AI関連の新機能など「Snowday 2023」の発表内容を日本向けに説明」についてご紹介します。
関連ワード (ビッグデータ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Snowflakeは11月9日、報道関係者向けの技術説明会を開催した。米国時間11月1~2日に行われた年次イベント「Snowday 2023」の内容を紹介するもので、執行役員 セールスエンジニアリング統括本部長の井口和弘氏が主要なトピックについて説明した。
例年、Snowdayでは、同社の経営幹部や開発チームから最新の機能や製品が多数発表され、同社の今後の方向性が示される。井口氏によると、今回は「データ基盤の簡素化」「AI活用の加速」「アプリケーションに合わせたスケーリング」という3つのテーマに沿って、さまざまな新機能やソリューションが披露された。
データ基盤の簡素化では、「より優れた総保有コストで、サイロを解消して全てのデータとワークロードを安全に統合する」という観点で、「Icebergテーブル」「コスト管理インターフェース」「Snowflake Horizon」がピックアップされた。
Icebergテーブルは、オープン標準の「Apache Iceberg」形式で外部に保存・管理されているデータを、事前に取り込むことなくSnowflakeで取り扱えるようにする機能になる。「Snowflakeの管理のしやすさと優れたパフォーマンスを維持しながら、相互運用性を必要とするデータアーキテクチャーに対応できる」のがメリットだと井口氏は話す。現在はプライベートプレビューで、近日中にパブリックプレビューを開始する予定となっている。
コスト管理インターフェースは管理者向けのユーザーインターフェース(UI)で、Snowflakeで発生する費用を単一の画面で可視化、制御、最適化できるようになる。アカウントレベルで費用や使用状況などが可視化され、上限値などを設定することで予算やリソースの過剰な消費を抑えることができる。現在はプライベートプレビューで提供されている。
Snowflake Horizonは、コンプライアンス、セキュリティ、プライバシー、相互運用性、アクセスの各機能を統合管理するソリューション。井口氏は、その機能群の中から近日中にプライベートプラビューが開始される「Trust Center」とプライベートプレビュー中の「データ品質メトリクス」について説明した。
Trust Centerは、Snowflakeのアカウントに潜むセキュリティリスクを発見し、そのリスクを解決するための推奨事項を得られる新しいインターフェースになる。セキュリティとコンプライアンスに関するモニタリング機能を集約して合理化することで、総保有コストを削減し、アカウントリスクの上昇を防止する。データ品質メトリクスは、データ品質の測定とモニタリングに使用可能なメトリクスを備えたデータ品質ソリューション。ユーザーが独自のメトリクスを作成することもできる。
次のイノベーションのテーマであるAI活用の加速については、新しいフルマネージドサービス「Snowflake Cortex」が発表された。これは、Snowflakeがホストする大規模言語モデル(LLM)の実行環境であり、Meta AIの「Llama 2」をはじめとするLLMやタスク固有のAIモデル、高度なベクトル検索などをサーバーレスで利用できる。現在はプライベートプレビューで提供されている。
井口氏は「企業データを迅速かつ安全に分析し、そのデータによってコンテキスト化されたAIアプリケーションを構築できる」と話す。
例えば、センチメント(感情)の検出、回答の抽出、テキストの要約、選択された言語への翻訳などが行える専門関数や、会話型LLMでの推論やベクトル検索を実行できる汎用関数などが用意される。
Snowflake自身がCortexを基盤として構築するのが、ドキュメントから構造化データを抽出する「Document AI」、自然言語でコーディングを支援する「Snowflake Copilot」、Snowflakeのプラットフォーム内にあるデータやアプリを迅速に検索・発見する「ユニバーサル検索」である。いずれもプライベートプレビューとなっている。
井口氏によると、ユーザーからずっと提供を待ち望まれていたのが「Snowflake Notebooks」であるという。これは、PythonやSQLの利用者が開発者向けフレームワーク「Snowpark」内のデータを探索、処理、検証できる対話型のセルベースのプログラミング環境を提供する新しい開発インターフェースになる。開発者はコードの記述と実行、「Snowpark ML」によるモデルのトレーニングとデプロイ、 「Streamlit」のチャート要素を使用した結果の視覚化などを、Snowflakeのセキュアなプラットフォームで行える。
3つ目のテーマであるアプリケーションに合わせたスケーリングについては、「Snowflakeネイティブアプリフレームワーク」が紹介された。
これは、Snowflakeのプラットフォーム内でアプリケーションをネイティブに構築、配布、展開、運用、収益化するために必要な機能を提供するもの。既に50社以上のパートナーが、「Snowflakeマーケットプレイス」でアプリケーションを提供しているという。近日中にAmazon Web Services(AWS)での一般提供、「Microsoft Azure」でのパブリックプレビューを予定している。