アイエスエフネットがシンガポールに進出、バイリンガル技術者を活用

今回は「アイエスエフネットがシンガポールに進出、バイリンガル技術者を活用」についてご紹介します。

関連ワード (ITインフラ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

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 ITインフラサービスを手掛けるアイエスエフネットは12月7日、シンガポールに新会社「GLOBAL ISF PTE. LTD.」を設立したと発表した。バイリンガルエンジニアを積極的に採用するとともに、アジア地域でのビジネス拡大に向けてビジネスパートナーシップの強化を図る。

 同日にシンガポールのMarina Bay Sandsで記者会見した代表取締役の渡邉幸義氏は、「これまで日本を中心にサービスやビジネスを展開してきたが、新会社設立に合せて事業の主軸をグローバルにシフトする。シンガポール拠点を世界のハブとして成長させ、ビジネスを拡大し、2030年度には売上高の4割を海外事業にする」と表明し、「日本での成功と安定した基盤を土台にシンガポール市場でも価値を提供し、地道な努力と革新を重ねる。国際的な舞台での存在感を高める」と抱負を述べた。

 アイエスエフネットは2000年1月に設立され、1000社以上にITインフラサービスを提供する。クラウドやサーバー、ネットワークセキュリティなどのITインフラに特化した約2100人のエンジニアが在籍。国内15拠点に加え、韓国や中国にも拠点を展開しており、韓国には約150人のITインフラエンジニアが在籍しているという。

 2022年度の売上高はグループ全体で141億円。日本で約300プロジェクト、韓国で約30プロジェクトを推進する。渡邉氏は、シンガポールの新会社も韓国と同等規模のビジネスを目指すとした。既に海外実績として、KDDIが展開する「KDDI Asia Pacific」サービスの一部業務の運用を受託している例などがあるという。

 また、同社は「人財育成会社」を掲げ、ITインフラエンジニアの育成に注力しており、独自の教育制度を採用する。これまでに3000人以上の未経験者を採用、育成した実績を持つ。「累計で1万人を育成しており、このうちの8割が大手企業でエンジニアとして勤務している。ITインフラエンジニアを生み出す最大の企業だと自負しており、クラウド、ネットワーク、セキュリティに関する数では最大規模になる。上級エンジニアやフリーランスエンジニア、シニアエンジニアと、成長過程にあるエンジニアが組み、実地研修によるスキル移転を行っている。約1年間でスキルシェアが可能になり、3~4倍のスピードでスキルを身に付けられる。エンジニアの給与を短期間に高められる。これらのノウハウをシンガポールの新会社にも展開していきたい」(渡邉氏)

 同社は外国籍やシニア、障害者などの雇用実績もあり、グローバルITインフラエンジニアへのサポートとして、居住施設やビザ、言語などのサポート、外国籍メンター制度などを導入し、入社後にエンジニアが安心して働ける環境を整備しているという。

 シンガポールの新会社では、2030年までに150人規模のITインフラエンジニアを採用する計画だ。バイリンガルエンジニアを採用し、日本と韓国のプロジェクトで活用するほか、シンガポールを中心としたアジアでのビジネス展開を始める。さらに、アジアでITインフラエンジニアのサービス提供に注力し、顧客ニーズと最適な人材をマッチングする人材紹介業も展開する。

 具体的には、日英あるいは韓英語のバイリンガルエンジニアを積極的に採用する。日本でのプロジェクトに参画させる一方、シンガポールとアジア全体を対象に優れた技術力を持つエンジニアたちと協力して先進的なプロジェクトに取り組み、高度な技術と革新的なソリューションを提供することが可能になるとする。

 また、エンジニアが日本の文化と環境の中で働く機会を提供できるほか、シンガポールの優秀なエンジニアや、海外でより高いIT技術を取得したいというエンジニアたちとも連携し、顧客プロジェクトの成功に向けて、最適な人材を提供できるとする。英語が話せ、日本に興味があるシンガポールのエンジニアも採用する。「人材紹介の事業を通じてグローバル市場における企業顧客とエンジニアとの架け橋の役割を果たす」(渡邉氏)

 新会社のマネージングダイレクターに就任する若本康平氏は、「日英バイリンガルエンジニアを積極採用し、アジア全体で韓国語を含むバイリンガルエンジニアの採用ルートの開拓を推進して、2025年以降にシンガポール拠点を本格稼働させる」と述べた。新会社と日本の連携による顧客開拓や、シンガポールでの人材紹介業の認可を取得してITインフラエンジニアの獲得を進め、グローバルビジネスの拡張に向けた基盤を構築していくという、。「デジタルマーケティングをはじめとしたさまざまなマーケティング手法を用いた訴求を通じ、顧客ニーズにマッチしたエンジニアサービスの提供機会を増やす」などと述べた。

 新会社では、エンジニアの採用人数に応じた投資を行い、今後は約20億円の投資を計画。2030年までに売上高30億円を目指す。渡邉氏は、「現地の給与体系で採用するため、日本で採用するよりもシンガポールの方が給与は高くなると見ている。これまでのITインフラエンジニアは幅広い業種に対応しているが、業種スキルが高いエンジニアでは、業界をターゲットにした活躍機会も模索したい」と述べた。

 日本には、ITエンジニア採用で課題を抱える企業が多く、アジア展開する日系企業からは、日本語と英語ができるバイリンガルエンジニアの採用が進まず、社員の負担が増大しているのが実態だという。また、欧州などの企業がアジア進出を検討する場合にも、バイリンガルのITインフラエンジニア需要が高いという。

 渡邉氏は、「当社アジアでGDP(国内総生産)が高い日本と韓国にサポート網を持つ唯一のITインフラサポート企業。シンガポール経由で日本や韓国に進出したい企業に、ITインフラを支援できる点が大きな価値になる。現時点で海外売上比率は少ないが、10%のバイリンガルエンジニアを2030年に約30%に拡大する。海外プロジェクトで1件当たりの単価が高く、2030年に売上高の4割を海外事業が占めるだろう」との見通しを述べた。

 IT人材の派遣事業もシンガポールで展開する。シンガポールの高いIT水準を活用して、現地だけでなく日本や韓国の優秀なITインフラエンジニアにも活躍の場を提供する。グローバルスタンダードなスキルを身に付けられる育成の機会を提供したいという。「創業以来、ホテルが提供するようなホスピタリティーのスキルをITインフラエンジニアに求めている。これは人間性と言える部分。エンジニアのスキルやコストが変わならくても、当社のエンジニアのヒューマニティーやホスピタリティーは圧倒的な差になり、日本でそこを差別化点にしてきた。グローバル展開でもこの点で差別化していく」(渡邉氏)

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