2023年は「パスキーの年」–FIDOアライアンスが報告
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FIDO Allianceは12月8日、東京都内で会合を開き、2023年にコンシューマーブランドで70億以上のユーザーアカウントがパスキーを使ったパスワードレス認証に対応し、「パスキーの年」になったと報告した。企業内への導入も進んでいるとした。
FIDO Allianceによると、2023年時点のパスキー導入企業は、AdobeやAmazon、Apple、CVSHealth、Dashlane、DocuSign、Google、Hyatt、Instacart、Kayak、1Password、PayPal、Shopify、TikTokなどで、日本ではLINEヤフー、メルカリ、NTTドコモ、任天堂、などが導入する。また、FoxやHyatt、Intuit、Targeなどが企業内システム認証のオプションでにパスキーを採用したという。
パスキーの利用拡大についてFIDO Allianceは、例えば、Googleが「Google アカウント」のデフォルトの認証方法をパスキーにしたことで、900万以上の組織が「Google Workspace」などをパスワードレスで利用可能になったと指摘。パスキーを使えば、パスワードよりも認証時間を4割短縮できるとする。金融ソフトウェアのIntuitではパスキーで認証成功率が97%になり、認証時間が7割短縮されたという。メルカリでは、SMS経由のワンタイムパスワードよりも認証時間が20.5秒短縮され、認証成功率が82.5%に改善した。
FIDO Alliance加盟企業は250社以上で、このうち64社が「Japan Working Group」に参加する日本企業になる。日本企業での導入効果は、KDDIではコールセンターへのログイン関連の顧客からの電話が3割減少し、NTTドコモでは「dアカウント」ユーザーのパスキー利用率が1年間で約2倍の37%になった。
FIDO Allianceの調査では、パスキーの認知度が2022年の39%から52%に上昇し、コンシューマーの認知度向上で、回答者の半数以上がアカウントのサインインにパスキーを設定したと説明する。またLastPassの調査結果も引用し、回答者の92%がパスキーの社内導入でセキュリティ環境にプラスの効果があるとしたほか、93%はIT部門が関知せず事業部門などユーザーが独自に導入している非公式アプリケーションの削減効果につながるとした。
パスキー関連の国内企業の新たな動きでは、インターネット銀行では初めて住信SBIネット銀行がFIDO Allianceへの参画を表明したほか、FIDO Alliance加盟企業のインターナショナルシステムリサーチが2024年4月にサブスクリプション型のパスキーサービスを企業向けに開始することを発表した。