企業のイノベーションを阻むのは、失敗への「恐怖心」–経営幹部の約7割が回答
今回は「企業のイノベーションを阻むのは、失敗への「恐怖心」–経営幹部の約7割が回答」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
オンラインワークスペースを提供するMiroは、経営幹部や知識労働者を対象にイノベーションに関する調査を実施し、ミロ・ジャパンが結果を発表した。
それによると、日本の企業経営層と知識労働者のほぼ全員がビジネスの成功にはイノベーションが緊急の課題であるという認識を持っている一方、不安定な経済情勢、恐怖心、時代遅れの慣行などにより、イノベーションがもたらす可能性を生かせている企業は少数にとどまっていると分かったという。
Miroは2023年7月、オンラインで調査を実施し、企業トップ、バイスプレジデント、最高責任者 レベルを含む経営幹部1792人、製品、設計、エンジニアリング、ユーザー体験(UX)、プロジェクト管理、企業での製品開発に携わるその他フルタイムの知識労働者8261人が回答した。回答者は、オーストラリア、ドイツ、フランス、日本、オランダ、英国、米国の世界7カ国に在住している。
同調査では、経営幹部の98%と知識労働者の79%が、イノベーションについて「企業の規模や業界を問わず緊急に必要」と回答している。その理由として、経営幹部の84%と知識労働者の72%が「競争に勝つため」と答え、経営幹部の68%は「イノベーションがなければ5年以内に企業の生存が脅かされる」とした。
一方、イノベーションを進める時期については、「経済がもう少し安定するまで自社のイノベーションを保留した方がよい」と考える経営幹部が半数以上(53%)いる。また、イノベーションを目指す方向性として「リスクを冒してまで画期的なイノベーションを優先しない」という経営幹部も半数以上(54%)に上る。
日本の経営幹部は、競合他社の画期的なイノベーション(34%)よりも、漸進的なイノベーション(48%)の方が脅威であると回答しており、この結果は同社のグローバルでの調査結果とは異なる傾向にある。
イノベーションの推進を妨げるものについて、経営幹部の過半数(69%)は「恐怖心」だとし、61%は「イノベーションを優先することを自社が恐れている」と回答している。また経営幹部の3分の1近くは、イノベーションのプロジェクトが失敗した場合に自身のキャリアが頓挫する、あるいは評価が落ちると考えている。知識労働者の49%は自社がイノベーションに失敗した場合、自分が職を失うことを心配している。
さらに「イノベーションを妨げる最大の壁」として、経営幹部も知識労働者も「レガシーなツールなどの技術的な困難や戦略的な課題」、特に「部門の壁を越えた協力の困難さ」を挙げている。この最大の壁について経営幹部の34%は技術的な問題、25%は戦略的な問題と回答し、知識労働者の28%は技術的な問題、29%は戦略的な問題と回答している。