驚きに満ちた「生成AIの年」だった2023年、ただし便利さにはリスクも
今回は「驚きに満ちた「生成AIの年」だった2023年、ただし便利さにはリスクも」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
この1年における人工知能(AI)のさまざまな進歩や文化的な影響の大きさを考えれば、2023年は「AIの年」だったと宣言するにふさわしい1年だったと言えるだろう。もし、「AIの年」がすでになければの話だが。
ある学術誌の記事にもあるとおり、43年前の1980年は「AIの年」として知られている。AIの歴史は古く、筆者は数十年前に、AIの倫理に関する学術論文を書いたこともある。筆者が、今や廃刊となってしまった論文誌「Computer Design Magazine」に掲載された論文「Artificial Intelligence as a Systems Component」(システムの構成要素としての人工知能)を書いたのは、1986年のことだ。また1988年には、AIを使用した2つのMac用ソフトウェアを発表した。
その時点でも、AIの年齢は30歳以上だった。AIに関する最も初期の取り組みをたどれば、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)、ダートマス大学に所属していたJohn McCarthy教授にまでさかのぼることができる。McCarthy氏は1955年にスタンフォードAI研究所(SAIL)を設立し、1958年にはLISP(筆者が特に気に入っているプログラミング言語の1つ)を開発した。
従って、2023年から見れば、AIは68年前から存在するわけだ。さらに、スペキュレイティブ・フィクションにはもっと古くからAIが登場する。SF作家のIsaac Asimov氏は、1940年からAIの倫理について真剣に考え始めていた。
それでも、2023年を「AIの年」と呼ぶことに異議を唱えるのは難しいだろう。実に驚くべき1年だった。
AIは古くから使われている。AIは、何十年も前から、エキスパートシステムや、診断ツールや、ゲームや、ナビゲーションシステムをはじめとする多くのアプリケーションで実際に使われてきた。
しかしAIが、この1年のような使われ方で使われたことはなかった。2023年は、真の生成AIがその真価を認められた年だと言えるだろう。「AIの年」の候補はいくつも考えられるが(例えば1980年だ)、2023年が「生成AIの年」だったことは間違いない。
本当の意味で使えるAIの爆発的に普及に繋がった決定的な変化は、AIのトレーニング方法にある。これまで、AIのトレーニングにはほとんどの場合、教師あり学習が使用されていた。このトレーニング方法では、設計者からAIに特定の情報が与えられ、その情報からAIの知識コーパスが構成される。限られた情報だけを使用する教師あり事前学習で構築されたAIは、知識もできることも限られている。