「学習者に合った教育プログラムを展開したい」–AWSが投資するクラウド人材育成
今回は「「学習者に合った教育プログラムを展開したい」–AWSが投資するクラウド人材育成」についてご紹介します。
関連ワード (クラウド等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Amazon Web Services(AWS)は、2025年までに2900万人に対してクラウドコンピューティングのスキルトレーニングを提供することをコミットメントに掲げている。同社が米国時間11月27日から12月1日に開催した「AWS re:Invent 2023」では、基調講演でクラウドスキルを持つ人材の育成に対する重要性や、生成AIの活用に向けたリスキリングの必要性が語られた。会期中、長年にわたってAWSでクラウド技術に関連する教育と認定プログラムに携わるKevin Kelly(ケヴィン・ケリー)氏に話を聞く機会を得た。
Kelly氏は現在、「AWS Cloud Institute」のディレクターとしてAWSに関する教育プログラムの成長をリードしている。以前は、教育機関向けの学習プログラム「AWS Academy」やリスキルプログラム「AWS re/Start」など、数多くのプログラムを主導してきた。
AWS Cloud Instituteは、米国で18歳以上、高校の卒業証書または同等の資格を持つ人に対して、クラウド開発者としてのキャリアを1年で開始するために必要な技術的・専門的なスキルを習得するためのトレーニングプログラム。現在は米国のみで利用できる。12の自習型デジタルトレーニングコースやゲームベースの実践的な学習、実際にアプリケーションを構築する総括プロジェクト、100以上のラボなど、豊富な教育プログラムを提供する。
同プログラムでは、四半期ごとに3つのコースを受講するフルタイムか、四半期ごとに1つまたは2つのコースを受講するパートタイムでの受講ができる。フルタイムの受講者は1年間、パートタイムの学習者は最大3年間でプログラムを修了できるという。プログラム受講者は期間中、AWS認定のクラウドプラクティショナーとデベロッパーアソシエイトの認定試験を受け、資格を取得する。卒業者は、AWS Cloud Instituteプログラムの証明書も取得できるという。
Kelly氏は「私たちが目指すのは、学習者をエントリーレベルのクラウドの職務に就かせることだ」という。加えて、「顧客やパートナー企業はクラウドスキルを持つ人材の確保に苦労している。大学を卒業したコンピューターサイエンスの人材を見つけることはできるが、AWSに関するトレーニングをしなければならない。だからこそ私たちは、顧客やパートナーが望む人材を常に確保できるようにしたい」と教育プログラムを設置する背景を述べた。
AWS Cloud Instituteの受講者は、中途採用のリスキル学習者が少なくないという。技術者として再就職を考えている社会人に対しても同プログラムは役立つとしている。既に大学の学位を持つ人から、大学や専門学校に通いながら受講する人まで多岐にわたる。
また同プログラムは、テクノロジー面だけでなく、コミュニケーションスキルといったヒューマンスキルを学ぶ機会も提供している。これは、明確な目的を持って、「なぜAWSのサービスを使うのか」という経営の視点から技術や開発を語れる人材を、顧客やパートナーが確保したいからだという。また、IT業界未経験者にとってはIT業界ではどのような人材が求められているのか、現場の課題がどのようなものか分からないため、顧客やパートナーを招いてIT業界がどのようなものか理解できる場を設けている。
AWSが掲げる、2025年までに2900万人に対してクラウドのスキルトレーニングを提供するというコミットメントの進捗(しんちょく)状況を尋ねると「現在で受講者は2100万人を超えており、目標の達成に近づいていると言っていい」(Kelly氏)と述べる。このコミットメントの一貫として同社では、11月にAI関連の教育プログラム「AI Ready」を発表した。これは、AIや生成AIに関する訓練コースと奨学金制度を提供しており、同社は200万人の学習者にAI技術を習得してもらいたいとしている。
教育プログラムの開発において重視しているのは、「どれだけ多くの人を無料でトレーニングできるかということ。そして学習者に対して適切なプログラムを用意することだ」とKelly氏。例えばAWS Academyであれば大学生や専門学校生に最適であるし、「AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト」を目指すのであればAWS Cloud Instituteが最適だという。「さまざまな学習者に対応できるように、できるだけ多くの異なるトレーニングプログラムを作りたい」と語った。
(取材協力:アマゾン ウェブ サービス ジャパン)