mui Lab、木製ディスプレイの用途開発へ–スマートホームの普及に向け
今回は「mui Lab、木製ディスプレイの用途開発へ–スマートホームの普及に向け」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営、デジタル岡目八目等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
スマートホームの普及がなかなか進まない。音声やスマートフォンからネットワークに接続された家電や照明などの機器(デバイス)を操作・制御し、省エネなど環境にやさしくなると説いても、消費者に楽しさやワクワク感が生まれないからだろうか。
消費者自身によるデバイスの設置も難しく、導入コストがかかる割に、家のスマート化によるインセンティブのなさも指摘されている。そこに複数のスマートホーム規格が乱立し、異なるベンダーのデバイスが容易に接続できないことが加わる。カギを握るのは、インセンティブとデバイス間の相互接続を可能にする共通規格「Matter」だろう。米国に比べて5年から10年遅れている日本市場に、スマートホームを浸透させる有効な手はあるだろうか。
京都に本社を構えるスマートホーム関連スタートアップのmui Lab(ムイラボ)は、1月8日から米国ラスベガスで開催されたデジタル技術見本市「CES 2024」に、Matterに対応するコントローラー「muiボード第2世代」を出展するとともに、先行予約の形態でクラウドファンディングによる資金調達を開始した。同社 最高経営責任者(CEO)の大木和典氏はCES会場で、「1億円は集めたい」と1000台以上のmuiボードの販売を見込んでいることを明かした。
ムイラボは、2017年に印刷事業などを手掛けるNISSHAが新規ビジネスの立ち上げのために設立し、muiボードの開発、販売を始めた。muiボードは天気予報などの情報をリアルタイムに表示する木製ディスプレー。家庭内の電気やガス、水道などの使用量、太陽光発電の発熱量、蓄電池の残量などエネルギー状況を表示できる。ワコムと共同開発したタッチパネル技術などで、ディスプレーに手書きもできる。
2019年に経営陣らによるマネジメントバイアウト(MBO)でNISSHAから独立したムイラボは、こうした機能を備えるmuiボードをベースに、都市ガスなどのエネルギー供給会社や住宅会社などにスマートホームのシステム開発からモバイルアプリ、ユーザーインターフェース/ユーザー体験(UI/UX)、ソリューションを提供する。
大木氏によると、muiボードは生活に溶け込むITの設計思想「カームテクノロジー」の理論を取り入れ、インテリア空間に調和するデザインにしたという。「セミカスタムでオリジナルのスマートホームを作れるため、住宅会社はブランド力や住宅の付加価値を高めることができる」
とは言ったものの、muiボードは「スマートホームの新しいインターフェースとして話題になったが、おしゃれなデバイスと見られていた」。大木氏は家庭の仮想化やクラウド化が進まなかったことに加えて、「これこそ」という使い方を見つけ出せなかったことにあるという。