Recursive、手書き解答を正誤判定するAIモデルを開発–小学生向け計算ドリルに対応
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Recursiveは1月21日、児童が手書きで解答した紙の計算ドリルを自動で正誤判定するAIモデルを開発したと発表した。同モデルは、教育同人社が提供する小学生向け計算ドリルに対して児童が手書きで解答し、タブレット端末のカメラで撮影するとAIが正誤判定を行うというもの。対象となるのは小学1~6年生までの計算問題で、横算形式のほかにも筆算形式や小数の四則演算に対応する。
「GIGAスクール構想」第2期では、端末やネットワークのインフラ強化だけでなく、学習支援ツールやデジタル教材の普及が進み、個別最適な学びの強化が期待されている。その一方で、教育現場では紙教材の需要が高く、それに伴う答え合わせに教員の時間が費やされているという。
このような背景を踏まえ、教育同人社はAIのカスタム開発に強みを持つRecursiveを開発パートナーとして選定。Recursiveは自社で開発するドキュメントの分析・解析のAIツール「FindFlow」と、画像などのメディアを分析・生成するAIツール「PixelFlow」を組み合わせてカスタマイズし、教育同人社向けに、計算問題の正誤判定・採点・成績集計ができるAIモデルの開発に着手した。その第一段階として、正誤判定機能を実装し、手書き解答をAIが自動で判定できる仕組みを構築したという。
同モデルは、高度な物体検出と光学式文字認識(OCR)技術を用いて、手書きの数字や記号をテキストデータに変換し、正解データとの照合を行う。モデルトレーニングには、教育同人社が蓄積した教材データを活用し、汎用(はんよう)性を高めるための学習を行ったという。
これにより、児童が自分自身で答え合わせができるようになるほか、教員の業務の負担を減らし、教員でなければできない教務の充実や、児童に寄り添った指導ができるなど、教育の質の向上に寄与できるとしている。加えて、紙教材をデジタルにつなぐことで、教育データの活用にも貢献する。
今後の拡充予定についてRecursiveは、小学校算数の計算領域に関連する判定範囲の拡充と、紙教材の採点から結果を自動集計する機能の搭載により、個別最適な学びにつなげるほか、教育現場の教育データの活用ができるように進めていくとしている。
同モデルは教育同人社の協力の下、2025年上半期をめどに一部の公立小学校でモニターを実施する予定だという。また、同モデルはAIエンジン名「MITORU」として2024年12月27日に商標登録を出願している。両社は今後もさらなる技術の高度化と活用範囲の拡大を目指し、同モデルの機能拡充と発展に取り組むとしている。