多くのIT部門でアジャイルアプローチが成功しない理由
今回は「多くのIT部門でアジャイルアプローチが成功しない理由」についてご紹介します。
関連ワード (調査等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
アジャイルソフトウェア開発宣言のビジョンが完璧なかたちで具現化されるのはまだまだ先のようだ。この宣言は、ソフトウェア開発において、エンドユーザーと肩肘張らずに緊密に作業していくとともに、ソフトウェアの持続的成長を目指すというものだが、胸襟を開いてコラボレーションを推し進めていくというこのアプローチには、乗り越えるべきハードルが1つ存在している。それは世界各地の複数の拠点/システム/チームが絡んでくるような、規模のより大きな組織には簡単に適用できないというものだ。
規模の問題は、依然として大規模組織や成長中の組織に影を落としている。Digital.aiがソフトウェア関連のプロフェッショナル788人を対象に実施した最近の調査を見る限り、小規模組織は大きな業務上のメリットを享受している一方で、より規模の大きな組織は障壁を乗り越えられないでいるようだ。
アジャイルプラクティスに満足しているユーザーは、そのメリットとしてコラボレーションの増加(59%)や、業務ニーズとのより高い整合性(57%)を挙げており、回答者の4分の1はソフトウェアの品質向上を挙げてもいる。
全体で見た場合、ITプロフェッショナルの10人に7人強(71%)がソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)にアジャイルを取り込んでいる。ただ、「極めてうまく機能している」と答えたのはわずか11%であり、「ある程度機能している」と答えたのは33%だった。回答者の37%は少なくとも「あまりうまく機能していない」か、「判断するには時期尚早だ」と考えている。残る19%は「分からない」または無回答だった。
また、アジャイルプラクティスの導入ペースに不満を抱えている回答者は、導入が進まない理由として「自社内にさまざまなアプローチを要するレガシーシステムが依然として数多くある」(46%)、「チームがサイロ化されているが故に発生する納期の遅れ」(37%)、「企業文化との不整合」(34%)、「チーム間での整合性のない利用」(30%)、「業務価値の定量的評価が不能」(28%)を挙げている。
その一方で、アジャイルのアクティビティーに人工知能(AI)が入り込んでこようとしている。アジャイルプラクティスを実践しているユーザーのうち、開発プロセスを支援する目的で大規模言語モデル(LLM)やコードアシスタントを採用するための評価を積極的に実施しているという回答は30%近くに達している。