Dockerのファイルアクセスが最大で2倍から10倍高速に。買収したMutagenのファイル同期技術をDocker Desktopに統合
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Docker社は、2023年に買収したMutagenの技術を1月25日付でリリースされたDocker Desktop 4.27に統合し、ファイルアクセスの速度を最大で2倍から10倍に向上させたことを明らかにしました。
Docker Desktopを用いた開発環境の課題の1つは、Docker Desktop環境で開発対象としている仮想マシンにあるファイル群と、仮想マシンをホストしているローカルマシン上のファイルとのやりとりに時間がかかることでした。
これはDocker環境からホストのファイルシステムにアクセスするためのbind mountと呼ばれる仕組みに主に起因するものです。
仮想マシンとホストマシンのファイルを高速かつ低遅延で同期
これを解決するのが、今回Docker Desktop 4.27で統合されたMutagenのファイル同期機能です。これはDocker Desktopが構築したコンテナ用の仮想マシン内のファイルシステムとホストマシンのファイルシステムとを高速かつ低遅延で同期する技術によって実現されています。
このファイル同期機能はあらかじめ設定するだけで、ユーザーからは透過的に動作するため、ユーザーは性能向上の恩恵を受ける以外に気にすることはほとんどないと説明されています。
特に大規模なリポジトリを管理してDocker環境から利用するケースや、VirtioFSやgRPC FUSEなどの仮想ファイルシステムを利用しているケースなどで、ファイルアクセス性能の低さによる開発生産性の低下を解決できることになります。
ただし欠点としては、同一ファイルが仮想環境内のファイルシステムとホストマシンのファイルシステムの2つ存在するようになるため、ストレージの利用量は増大する点が挙げられます。
このファイル同期による性能向上機能は、Docker Pro、Docker TeamsDocker Businessのいずれかのサブスクリプションユーザーに対して提供されます。
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