Canonical設立から20年、世界を変えてきたUbuntu Linuxの歴史を振り返る
今回は「Canonical設立から20年、世界を変えてきたUbuntu Linuxの歴史を振り返る」についてご紹介します。
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Linuxにとって2004年は、たくさんの出来事があった1年だった。筆者も記事にしたが、当時はSCOがLinuxを継続不能に追い込もうとしていた。またこの年は、Red Hatが「Red Hat Linux 9」の提供を終了して、企業向けのディストリビューションである「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)をリリースし、エンタープライズ顧客を優先して、エンドユーザーのファンを切り捨てる決断をした年でもある。そして、南アフリカの富豪であり、宇宙飛行士でもあったMark Shuttleworth氏が、「Ubuntu Linux」の開発会社であるCanonicalを立ち上げたのもこの年だった。
その頃の筆者は(あるいは他の誰も)、Canonicalが世界有数のLinux企業になるなどとは思っていなかった。
Shuttleworth氏はそれ以前に、セキュリティサービスと大手認証局(CA)を提供する企業であるThawte Consultingを設立し、その後売却して巨万の富を築いていた。同氏の関心はお金儲けだけではなかった。「Debian Linux」の開発者だったという経歴もある同氏は、Thawteの売却益を元手に、英国でCanonicalを設立した。
Canonicalの目的は初めから、フリーソフトウェアやオープンソースソフトウェアを支援し、共有することだった。実際、同社のOSであるUbuntuの語源は、ズールー語の「Umuntu ngumuntu ngabantu」という言葉にある。Linux業界を除けば、現代の「Ubuntu」という言葉は、故Desmond Tutu大司教の発言と結びつけられて語られている。同氏は著書「No Future Without Forgiveness」(許しなくして未来はない)の中で、「Ubuntu」を備えた人物は、「他者に対してオープンで寛容であり、他者を肯定する」と述べていた。
馴染みのある考え方だと思わないだろうか。Shuttleworth氏は、Ubuntuの最初のバージョンである「Ubuntu 4.10 Warty Warthog」をリリースした際、次のように述べている。
これはつまり、Ubuntuの最初のモットーである、「人間のためのLinux」ということだ。
当時も今も、UbuntuはDebian Linuxをベースにしている。期日に遅れがちなDebianとは違って、Ubuntuは6カ月ごとに最新のデスクトップ、カーネル、インフラを規則正しくリリースしている。Canonicalはこの20年間、Ubuntu 6.06のリリースを例外として、そのペースをずっと守ってきた。