エッジコンピューティングへの国内投資は24年に1兆6千億円–IDC予測
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IDC Japan(IDC)は、国内エッジインフラ市場予測を発表した。これによると、2024年の国内エッジインフラ市場の支出額は、前年比12.3%増の1兆6千億円になると推計している。また、2022〜2027年の5年間における年間平均成長率(Compound Annual Growth Rate:CAGR)は12.4%で、2027年の同支出額は2兆3千億円になるとしている。
IDCは、エッジコンピューティングを「集中型データセンター(企業のデータセンターやパブリッククラウドなどのコアIT環境)の外部で実行されるITによる処理」と定義している。この処理を行うエッジインフラは、接続されたエンドポイントとコアIT環境の仲介役を担うとする。
IDCは、国内エッジインフラ市場をエンタープライズ/サービスプロバイダー市場に大別している。
産業別で見ると、エンタープライズ市場では、組立製造とプロセス製造が2024年のエッジインフラ支出額の最大部分を占めており、次いで小売/公益サービスが続くとIDCは説明する。同社は全19産業分野の大半において、支出額が予測期間中10%前後のCAGRでプラス成長するとしている。一方、サービスプロバイダー市場のCAGRは23.2%になると予測しており、エッジインフラ市場全体で最も高い成長率になると見込んでいる。
テクノロジーグループ別に見ると、2024年のエッジインフラ構築の投資比率は、サービスプロバイダーによるITインフラ投資がけん引し、ハードウェアが全体の45%を占めて最大になる。予測期間中、企業によるProvisioned Servicesの利用は急増し、2027年に向けてハードウェアの比率に近づいている。Provisioned Servicesとは、「Connectivity(エッジコンピューティングに資する通信サービス)」「IaaS」「PaaS」「SaaS」など、ITサービスプロバイダーによるエッジサービスを含む市場。
IDCは、エンタープライズ市場について、19の産業分野にわたり、6つの技術ドメインで、500以上のユースケースを定義し、それぞれの支出額を推計している。6つの技術ドメインは、「AI」「拡張現実/仮想現実(AR/VR)」「ドローン」「IoT」「ロボティクス」「その他」となっている。
サービスプロバイダー市場では、エッジサービス提供者に対する投資として、マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)、バーチャルネットワークファンクションの各ユースケースを定義し、それぞれの支出額を推計している。サービスプロバイダー市場における3つのユースケース合計で、2024年の国内エッジインフラ市場における支出額全体の約13%を占める。
今後2027年までに大規模な投資と急成長が見込まれるエッジインフラのユースケースとして、「スマート倉庫」「AR技術を利用した保守」「トレーニングAR/VR」「交通管理」「リアルタイム在庫管理」などが挙がっている。
2022~2027年にかけて、支出額の最も急速な伸びが予測される新興のエッジユースケースとして、例えば「Collaboration AR/VR(AR/VRを活用した共同作業)」「プロジェクト管理」「在庫管理」「配管検査」「デジタルアシスタンス」などが挙がっている。