AI利用は個人の生産性向上から組織全体の生産性向上へ–Box レヴィCEO

今回は「AI利用は個人の生産性向上から組織全体の生産性向上へ–Box レヴィCEO」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Boxの日本法人Box Japanは6月25日、同社カンファレンス「BoxWorks Tokyo 2024」を「働き方の未来を創る コラボレーション、セキュリティ、そしてAIの融合」をテーマに開催した。

 基調講演では、同社で代表取締役社長を務める古市克典氏がまず登壇し、今回、「BoxWorks Tokyo」としては対面での開催が5年ぶりと述べる。参加登録者は6000人を超えるという。

 続いて、Boxの共同創業者であり最高経営責任者(CEO)であるAaron Levie氏が登壇し、同社のビジョンやプラットフォームとしての方向性について話した。

 同社はシンプルでユニークなビジョンでスタートしたとLevie氏。「世界が一緒に仕事をする方法を強化したかった。企業やチーム、個人がどこからでも誰とでも共有し、コラボレーションできるようにするために、最も安全で使いやすいプラットフォームを提供したかった」と同氏は述べ、願客企業の総数が11万5000社に上ることを誇りに思うとした。

 現在、仕事の未来をめぐる非常に重要な瞬間にいると同氏はいい、AIが私たちの働き方を全て変えるだろうと続ける。AIは、数年前までスマートフォン上で文章を自動補完するという単純なタスクを支援するにとどまっていたが、「ChatGPT」や大規模言語モデル(LLM)により一般的なタスクの実行が可能になった。そして、今、一般的なタスクを大規模に実行できる時代に入っているという。

 AIが単一のAIモデルから、私たちと対話をして回答を返してくれるAIアシスタントへ、そして、私たちのために作業を自動で実行してくれるAIエージェントへと進化することで、「この仕事をしてほしい」と伝えれば企業内のさまざまなタスクが実行されるようになる。仕事の速さが人の1000倍以上というスーパーインテリジェンスに従業員全員がアクセスをできるという状況は、MBA保持者やマーケター、エンジニアといったアシスタントが各人に付いて、さまざまなタスクを1000倍の速さでこなしてくれるのと同じとLevie氏。このような時代に私たちは入りつつあるという。

 AIは、コードの記述、メールやドキュメントの作成により個人の生産性を向上させるが「これは始まりにしかすぎない」(同氏)。AIが持つ真の影響力は、組織規模で生産性を向上させるときに現れるという。「今、個人の生産性が上がっている時代から、組織全体の生産性向上へというターニングポイントにある。この中心にあるのは、最も重要なコンテンツをどう扱うかということだ」とLevie氏は強調する。

 企業はコンテンツを使って仕事をしている。素晴らしい製品を構築する基になる研究開発の仕様、新しいキャンペーンを打つためのマーケティング資産、決算のための資料といったコンテンツは、企業の血であり、アイデアをつなぎ、コラボレーションを可能にする。しかし、その90%が非構造化データであり、その価値を活用することは容易ではないという。

 AIは、コンテンツ関連業務を一変させるとLevie氏は考える。その例として質問応答を同氏は挙げ、「AIにデータを安全な形で与えることで、どのような質問をしても必要な回答が瞬時に返ってくるようになったらどうだろう。コンテンツはナレッジに変わる」とする。日々の業務で作成される情報は、全ての従業員がアクセス可能な企業のデジタルメモリーに変わる。入社したばかりの従業員も社歴20年の従業員と同じように仕事ができるようになるという。

 次に、Levie氏は、ワークフローの自動化を挙げる。ドキュメントやビデオといったコンテンツがコンピューター上で閲覧されれば、AIはそれらを取り込みことができる。AIは、コンテンツを一度取り込めば、そこからデータを抽出できるので、ワークフローの自動化につなげることができ、ビジネスプロセスの自動化を始めることができるという。最後に、データの保護を同氏は挙げ、データの中身を知り、機密ということが認識できれば、安全に保護することができると語る。

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