MODE、IoTデータ活用を促進する生成「BizStack Assistant」を発表
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米MODEは4月25日、同社のIoTデータ活用基盤「BizStack」において、業務現場の担当者が自然言語で必要な情報を得られる生成AIの新機能「BizStack Assistant」を発表した。西松建設やパナソニックなどが先行導入しており、5月1日に一般提供を開始する。
同社は、Googleで「Google Maps」の開発などを手掛けた上田学氏(共同最高経営責任者)が、共同創業者らと2014年に米国シリコンバレーで創業した。IoTのセンサーやゲートウェイ機器とIoTデータ基盤などで構成される「BizStack」サービスを提供しており、製造や建設、物流など70社以上の顧客が利用している。
同日の記者会見で上田氏は、「地図上にさまざまなデータや情報を組み合わせて活用するGoogle Mapsの開発の経験から、世の中の“unknown”を減らしていくということに取り組んでいる」とコメント。そこでIoTによる業務現場のデータを業務に活用するBizStackの提供に至った。
また、Microsoftで「Windows」の日本語環境の開発や複数のデータソリューションベンダーで開発の要職を歴任したというプロダクトマネージャーの渡邉飛雄馬氏は、BizStackの特徴について、IoTセンサーなどからのデータをゲートウェイ部で構造化データにする独自の「Entityモデル」を挙げる。ゲートウェイ部でEntityモデルによってデータクレンジング処理を実行することにより、基盤上でデータを階層構造として表現するため、業務の現場でユーザーが求める情報を迅速かつ適格に提供できると説明した。
新機能のBizStack Assistantは、2022年のOpenAIによる「ChatGPT」公開を受けて、BizStackのデータや情報をユーザーがより簡単に活用できるよう開発したという。従来は、ユーザーが管理画面の「BizStack Console」から何度もクリック操作をして求める情報にアクセスしなければならず、現場に数百ものセンサーを設置しているような現場環境では、ユーザーの負担が大きなものになっていたとする。
生成AIは、ユーザーが日常的な言葉使い(自然言語)でシステムに問いかけ(プロンプト)をすれば、情報を生成して回答する。一般向けの生成AIサービスでは、インターネット空間などのデータを基にした大規模言語モデル(LLM)で回答を生成するために、ユーザーが求める内容が確実に提供されないことがある。
渡邉氏によれば、今回のリリース時のBizStack Assistantでは、LLMに「GPT-3.5」を採用しているものの、Entityモデルにより構造化したBizStack上のデータをユーザーへ適切に提供できるようLLM用ツールの開発やプロンプトエンジニアリングなどに取り組んだという。
今回のリリースでは、「Microsoft Teams」と「Slack」、建設業向けの「direct」のチャット画面からBizStack Assistantを利用する仕組みとし、「異常確認のための現場巡回の軽減」「設備や機器などの定期点検」「機器などのデータや手順マニュアル、図面などのデータの問い合わせ」「日報などの帳票作成」などの用途に対応している。
例えば、トンネル工事の現場で湧水を排出するポンプで異常を検知した場合、現場監督の担当者がチャット画面に問いかけをすることで、異常を検知した機器の特定や直前の稼働状況、復旧手順、部品交換が必要な場合には交換部品の型番や交換手順、作業時の注意点といった情報を、BizStack Assistantが文章やグラフデータ、カメラの動画像、電子マニュアルなどを交えて提示する。
BizStack Assistantを先行導入した西松建設では、建設現場での点検や異常での対応時間を40%削減できる効果を確認したという。パナソニックでは、複数の再生可能エネルギーを用いた自家発電施設の業務に活用し、発電量や消費電力などのデータの集計やグラフ化を瞬時に実行できるようになり、一問一答形式の約300件のよくある質問(FAQ)にBizStack Assistantを組み合わせて98%以上の正答率を得られたという。
今後のロードマップについて渡邉氏は、音声入力への対応といったユーザーインターフェースの拡張や、各種業務アプリケーション製品に組み込まれる生成AI機能との連携など、ユーザーの要望や市場の動向を見極めながら、BizStack Assistantを進化させていきたいとした。
上田氏は、今後生成AIを活用してさまざまな課題の解決に挑戦したいと抱負を語り、まずは労働人口減少問題に取り組むとした。日本では既に顕在化している問題だが、今後は欧州など諸外国でも顕在化していくことが予想され、BizStack Assistantを例に、人とAIが協働する社会に実現を通じてこの問題の解決に臨むという。