ネットワンシステムズ、未来につながる教育現場を創出–ICTで「GIGAスクール構想」を下支え
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ネットワーク構築を中心にサービスを展開するネットワンシステムズは、教育現場におけるICT環境の整備や運用を支援している。本稿では、同社 東日本第1事業本部 パブリック事業戦略部長の磯村和信氏と同戦略部 ガバメントアフェアーズ推進チーム エキスパートの板倉恭子氏に、教育現場のネットワーク環境の現状と、「GIGAスクール構想」で浮かび上がった課題、その先の「NEXT GIGA」への展望を聞いた。
ネットワンシステムズは、GIGAスクール構想の実現に向けて、校内通信ネットワークの整備をはじめ、データの活用や校務・事務の負担軽減につながるソリューションを提供してきた。
磯村氏によると、GIGAスクール構想の初期段階では、無線のアクセスポイントなどの製品を教育現場に提供する機会が多かったという。現在は、デジタル教材や情報共有ツールなどのアプリケーションを導入する教育現場が増えてきており、同社ではデジタルサービスを活用するためのセキュリティ対策とネットワーク環境の整備を行っている。
特に各方面で進んでいるクラウド化に伴い、セキュリティを気にしている教育現場が増えているという。いまだ多くの学校が、主要なシステムを各学校のオンプレミスサーバーや総合教育センターで運用・保管しているというが、全てのシステムをクラウドに移行し、安全に運用できることを優先に施策を打つ学校も少なくない。
クラウドシフトに時間がかかる理由として磯村氏は、教育委員会の情報担当者がクラウドに対する専門知識が深いわけではないことを挙げた。クラウドサービスの進化は著しく、担当者の定期的な人事異動がある中で、情報を網羅しつつクラウド移行への対応は難しい。また、文部科学省から出される校務DX化への指示についても、少ない予算の中で手探りの状態で進めることを余儀なくされているという。
また、学校では教員が兼任でDXの推進をしており、意欲や知識、人員の差によって各学校でDXの速度に違いが生じている。公立学校ではGIGAスクール構想の下、補助金を利用したDX化が進んでいる一方、私立学校では、あくまで各学校の予算でツールを調達するため、ようやく端末が配布された学校も少なくないという。
セキュリティ対策やクラウド移行のほかに、教育現場からはデータ活用への関心が寄せられている。例えば、児童・生徒の心身の健康状態の予測に、各生徒が持つ端末に蓄積されたインターネットの利用時間や成績、出席データが活用できるとしている。
また、過去の学習や成績データを蓄積し可視化することで、効率的な学習計画を立てられるとしている。板倉氏は、これまで科目ごとで生徒の得意/不得意を見ていたが、データとして全科目を総合的に見ることで、「例えば数学のとある単元が不得意だが、実は数学が分からないのではなく、もしかしたら問題文を読解する力が不足しているから導き出せないかもしれないという各科目のつながりが分かるようになる」とし、生徒の個別最適な学びにつながるとする。
一方で、データの活用には個人情報の取り扱い方の問題も挙げられる。どこまでのデータをクラウドに保存するかといった制限や、情報の閲覧権限の付与、保護者の承認、個人情報に関する自治体の整備などをデータ活用の前に準備する必要があると、磯村氏は指摘する。「われわれのようなネットワークベンダーでも、扱うデータの種別や情報の機密性によってはセンシティブに考えなくてはならず、よりセキュリティの重大さが高まっている状況にある」と述べた。