倉庫の“資産”を可視化–ゼブラ・テクノロジーズ、物流向け新製品を解説
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Zebra Technologiesの日本法人ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパンは、物流業界の自動化における国内市場での事業戦略と新製品について、メディアによるグループインタビューに応じた。
米イリノイ州に本社を置くZebra Technologiesは、モバイルコンピューターやバーコードスキャナー、RFIDリーダーなどの自動認識製品の製造・販売を行う企業。小売、倉庫、製造、医療、運輸/物流といったバーコードが使用される業界に注力している。日本では1998年からビジネスを展開し、2014年にゼブラ・テクノロジーズ・ジャパンを設立した。2023年の全世界での売り上げは45.8億ドルに上り、日本市場でのシェア拡大に取り組んでいる。
ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパン 社長の古川正知氏は、物流業界におけるメガトレンドとして「EC」「デジタル化/IoT分析」「AI」「モビリティー/クラウドコンピューティング」「自動化」を挙げる。こうしたトレンドに加え、世界的に労働力不足が課題となる中、Zebra Technologiesはデジタル化とフロントライン(現場)の自動化に取り組む。具体的には、(1)従業員や物流器具といった資産の可視化、(2)フロントラインワーカー同士の連携、(3)インテリジェントオートメーション(IA)――に注力する。
古川氏は、Zebra Technologiesが提唱する「倉庫成熟度モデル」を紹介。同社は1~5の段階のうち、RFIDやマシンビジョンなどの技術を活用して在庫管理をリアルタイムに行い、資産の可視化と稼働率の向上に取り組む「段階3」に関連する製品を複数展開している。
マシンビジョンとは、人間が行ってきた目視検査を自動化する技術。例えば、バーコードやシリアル番号の読み取り、傷の有無などの品質調査、製品や部品の寸法計測、製品の判別やごみの分別などを高速かつ高精度で行う。
Zebra Technologiesでセールスディレクター、マシンビジョンおよびイメージング製品、アジア太平洋(APAC)地域を担当するKelvin Cho(ケルビン・チョウ)氏は2022年のデータを引用し、APACにおけるマシンビジョンの市場規模が約14億ドルに上り、内訳は製造業が66%、運輸/物流業が18%、小売業が10%を占めると説明した。日本のマシンビジョン市場は、APACで中国に次いで2番目に大きいという。
古川氏は、倉庫自動化に対応するZebra Technologiesの新製品を紹介した。
例えば、固定式RFIDリーダー「FXR90」は、従来の固定式RFIDリーダーが有線でタグ情報を取得するのに対し、Wi-Fi6と4G/5Gに対応することで、無線でデータを取得・送信できる。これにより、設置場所を柔軟に変更することが可能となる。加えて、IP65/67と防じんや防水の性能が高く、マイナス40~60度の過酷な環境に対応する。同製品は2024年夏の発売を予定している。
タブレット「ET60」も同年夏の発売を予定している。IP66、マイナス20~50度に対応する丈夫な造りであるほか、既存のフォークリフトに設置可能。バーコードの読み取り機能も搭載しており、倉庫の従業員は棚上部のバーコードもフォークリフトに乗ったまま読み取れる。
古川氏は「海外ではフォークリフトに情報端末を搭載していることが多く、どこにある何の荷物を幾つピッキングするという指示が出る。国内では一部の事業者しか搭載していない印象だが、今後は個人の勘ではなく指示に基づいた業務の遂行が必要となる」と説明した。
そのほか、ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパンは固定型産業用スキャナー「FS10/20/40/70」とFSに画像処理(マシンビジョン)機能を搭載した「VS20/40/70」を既に販売している。FSはバーコードの読み取り・画像認識・光学文字認識(OCR)に対応し、ソフトウェアライセンスを購入すればVSとして利用できる。