日立製作所、2024年度第1四半期は減収増益–中計最終の行方を握る「Lumada」

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 日立製作所にとって2024年度は「2024中期経営計画」の最終年度だ。同社が7月31日に発表した、その滑り出しとなる2024年度第1四半期(2024年4月~6月)連結業績は、売上収益が前年同期比4.8%減の2兆2114億円となったものの、調整後営業利益は同51.4%増の1976億円、Adjusted EBITAは同41.8%増の2425億円、税引前利益は同118.5%増の2523億円、当期純利益は同150.4%増の1753億円となった。

 減収は、日立Astemoの非連結化などが影響したもので、当初から織り込み済みだ。それを除いた「デジタルシステム&サービス」「グリーンエナジー&モビリティ」「コネクティブインダストリーズ」の3セクターでは増収増益となっている。

 決算説明を行った執行役専務 CFOの加藤知巳氏は、「2024中期経営計画の目標はおおむね達成の見込み」とし、「第1四半期は『Lumada』事業の拡大、第1四半期への案件前倒し、国内での新札対応など案件が集中した。DX/GX(グリーントランスフォーメーション)需要や生成AIなどの新たな事業機会を捉え、3セクターは通期で増収増益になる見通しだ。さらに、コアフリーキャッシュフローは3年累計で目標を3000億円上回る1兆5000億円の見込んでいる」と中期経営計画の達成に強い手応えを示した。

 2024年度(2025年3月期)の通期業績の見通しは据え置き、売上収益を前年比7.5%減の9兆円、調整後営業利益で13.1%増の8550億円、Adjusted EBITで12.7%増の1兆350億円、税引前当期利益で2.9%増の8500億円、当期純利益は1.7%増の6000億円を見込んでいる。

 DX/GXによる新たな事業機会を捉えた同社の成長は、第1四半期の受注状況にも表れている。

 DX需要を捉えたデジタルシステム&サービスの受注状況は、前年同期比20%増の8750億円。内訳は、フロントビジネスが前年同期比24%増の4635億円、ITサービスが同19%増の3021億円、サービス&プラットフォームが同16%増の2627億円と、いずれも力強い伸びを見せている。

 加藤氏は、「金融システムが前年同期の大型案件の反動で微減だが、社会システムや公共システムで大口受注があった。日立ソリューションズは国内大口案件が好調であり、日立システムズは公共分野で大口案件を獲得した。プロジェクトマネジメントを徹底し、提供するサービスメニューも付加価値の高いものにしており、それに応じた売価を得ることができている」とし、収益性の改善でも成果が出ている。

 また、生成AIやクラウド利用で高まるデータインフラ需要によって、国内外でのストレージ事業が伸長している点も見逃せない。「ストレージは想定以上にいい。生成AI関連は、オンプレミスでの活用やセキュリティ対策が注目され、日立が得意とするハイブリッドクラウドの提案が受け入れられている。また、2023年度からストレージに関する販売体制を強化している点も功を奏している。第1四半期は米国での新規顧客や欧州で大口案件が獲得できている」(加藤氏)という。

 デジタルシステム&サービスは通期見通しを上方修正し、売上収益を1000億円増の2兆8000億円、Adjusted EBITを130億円増の3780億円としている。第1四半期時点から上方修正という強気ぶりだ。

 また、GX需要を捉えているグリーンエナジー&モビリティの第1四半期の受注状況は、前年同期比10%増の1兆4061億円。前年同期に、鉄道システムや日立エナジーでの大口受注があった反動減があったものの、それを跳ね返して前年同期を大きく上回る受注状況となっている。

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