生成AIはボットサービスにどのような影響をもたらすか
今回は「生成AIはボットサービスにどのような影響をもたらすか」についてご紹介します。
関連ワード (AIコミュニケーションツールの最新事情、特集・解説等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
本稿第1回では、チャットボットがフリーワードで自由に質問できるAIチャットボットになり、さらに音声や画像を含むさまざまな機能を統合した最新型のAIコミュニケーションツールへと進化したことを述べました。第2回となる今回は、生成AIを組み込んだコミュニケーションツールの登場について見ていきます。
ユーザーが利用しているサービスなどについて何か知りたいことがあった時、以前であれば問い合わせ先の電話番号に電話をかけるのが一般的でした。しかし今は、ウェブサイトにあるFAQページを見る人の方が多いでしょう。なぜなら、問い合わせの電話がなかなかつながらないという状況を多くの人が経験していたり、スマートフォンでいつでもどこでも手軽に調べられたりするという点が考えられます。これらのことにより、ユーザーはデジタルで自己解決することを好むようになっているのです。
ただし、コールセンターに電話する人の43%が「ウェブサイトのよくある質問(FAQ)では解決しなかったから」と答えています(トゥモロー・ネットの調査結果より)。解決しなかった人が次に試すのは、チャットボットです(なかなかつながらない電話は最後の手段)。チャットボットがどのように発展してきたのか、第1回のおさらいも踏まえて簡単に紹介します。
あらかじめ想定した質問と回答に基づいて、ユーザーの質問に自動回答するシステムです。フローチャート形式のシナリオで設計され、質問内容はボット側が選択肢を提示します。柔軟な会話や未知の質問への対応はできませんが、誤解答のリスクが低く、初期コストや維持コストが比較的安いのがメリットです。
「聞きたいことが選択肢になければ質問できない」という課題を解決しているのが、AI型チャットボットです。ユーザーの疑問に対して柔軟に回答するシステムで、フリーワードで質問できます。また、AIの学習精度が高まると、対応できる質問が増え、回答範囲がさらに広がります。
処理は、以下の流れで行われます。
自然言語処理のためのメンテナンスが必要になりますから、シナリオ型に比べると、導入や運用に手間とコストがかかります。
最新の動向として、チャットボットと生成AIを組み合わせるという動きも始まっています。生成AIは、さらに発展した自然言語処理により、その場で適切な回答を作り出します。生成AIの根幹となるのが大規模言語モデル(LLM)で、文脈を理解した上で柔軟なテキスト生成が可能です。
そのため、従来型のAIチャットボットは「あらかじめ決められた回答を出すため、回答の質が担保できる」というのが特徴ですが、生成AIを搭載したチャットボットでは、テンプレートにない質問への柔軟な回答が可能になります。また、過去のやりとりを学習するのも特徴です。