「迷ったら、作らない」を徹底–イトーキ・DX統括部長が説く、ERP導入の舞台裏

今回は「「迷ったら、作らない」を徹底–イトーキ・DX統括部長が説く、ERP導入の舞台裏」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 オフィス家具メーカーのイトーキは基幹システムの刷新に当たり、統合基幹業務(ERP)システム「Oracle Fusion Cloud ERP」の導入に取り組んでいる。同社は、2024~2026年度の中期経営計画で売上高1500億円の達成を目指しており、重点戦略の一つとして「グループ生産供給体制の再編と社内インフラの刷新による生産/業務効率の向上」を掲げている。

 刷新を主導するのは、執行役員 DX推進本部 DX統括部長の竹内尚志氏。同氏は、日本オラクルで理事 CXソリューション・エンジニアリング本部 本部長を務めた経験を持つ。実は一度目ではないERPシステム導入の軌跡、併せて取り組んでいるマインドや空間の変革について聞いた。

 イトーキはFusion Cloud ERPとして、業績管理ソリューション「Oracle Fusion Cloud Enterprise Performance Management (EPM)」、財務ソリューション「Oracle Fusion Cloud Financials」、サプライチェーン管理ソリューション「Oracle Fusion Cloud Supply Chain Management(SCM)」の導入を進めている。

 イトーキは2023年4月にFusion Cloud EPM、2024年1月にFusion Cloud Financialsの導入を完了し、最終段階として同年中にFusion Cloud SCMの稼働を目指している。Fusion Cloud SCMの導入によりさらなる効率化が期待されるといい、例えば担当者は現在、毎朝ドットプリンターで注文書を印刷してサプライヤーに送付しているが、サプライヤー側で専用ポータルから注文書をダウンロードできるようになる。

 イトーキは約20年前、従前の基幹システムをプログラミング言語「COBOL」でスクラッチ開発し、アドオン開発を重ねてきた。「業務部門にとっては『かゆいところに手が届く』状態になっている一方、時代の流れに付いていけない部分もあり、手作業も増えている」と竹内氏は評す。

 基幹システムの刷新では、システムの標準機能に合わせて社内の業務を変革する「Fit to Standard」が重要となる。竹内氏が率いる全社プロジェクトチームは、全従業員に対してシステム刷新に関する啓もう活動を実施しており、「業務の標準化・簡素化・自動化」を働きかけている。これまでは顧客企業の要望を受けてシステムに変更を加えてきたが、今後は「迷ったら、やらない、作らない」を基本方針とする。

 マインドの変革は業務部門も主体的に進めており、現状の業務プロセスとパッケージ機能に隔たりを認識した場合は、「その業務が年に何度発生するか/他社との差別化につながるのか」という観点でアドオン開発の是非を判断している。

 基幹システムの刷新では、ソリューションを導入する順番も重要になる。イトーキは刷新に当たり、従来の会計システムから管理会計の機能を抽出。管理会計の領域では、パッケージ機能に基づいて一から業務プロセスを構築できるため、Fusion Cloud EPMを最初に導入した。その上で、業務の型が比較的決まっており、パッケージ機能とのギャップが少ない財務会計領域にFusion Cloud Financialsを導入。最後に、最も独自性の高いサプライチェーン管理領域のシステムをFusion Cloud SCMに刷新することを予定している。

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