日本HPの新製品発表会見で感じた「AI PCの大いなるポテンシャル」
今回は「日本HPの新製品発表会見で感じた「AI PCの大いなるポテンシャル」」についてご紹介します。
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AIテクノロジーを実装したPC(以下、AI PC)への注目度が一段と高まってきた。果たして、どれほどのポテンシャルがありそうなのか。PCベンダー大手の日本HPが先頃開いた新製品発表会見での話から考察してみたい。
日本HPは2024年1月に開いた今後の事業戦略についての記者説明会で、同社 代表取締役 社長執行役員の岡戸伸樹氏が「2024年はAI PC元年になる」と宣言し、AIによってPC利用の新たな時代が始まることを強調した。
筆者がAI PCに強い興味を抱くのは、1970年代後半に登場したオモチャのようなPCが1980年代以降、仕事にどんどん使われるようになっていった状況をつぶさに取材してきた身として、AI PCはそれ以来のイノベーションだという予感があるからだ。
ということで、日本HPが1月、そして3月に続き、AI PCの新製品発表会見を開くというので出向いてみた。そこで新製品の説明の前に、同社 執行役員パーソナルシステムズ事業本部 本部長の松浦徹氏が話した内容が印象深かったので、以下に紹介しておこう(写真1)。
松浦氏がまず話題に上げたのは、米HPが5月から6月にかけて世界12カ国のナレッジワーカーを対象に実施した市場調査の結果だ。それによると、ナレッジワーカーのAI利用率は12カ国で平均66%と、前年比28ポイント増加した。その中で、日本は38%と11ポイントの増加にとどまった(図1)。
また、AIを活用する12カ国のナレッジワーカーの73%がAIによって仕事が楽になり、68%が仕事を楽しむ新たな機会を得られると考えていることから、「AIの活用に対してこれまで以上にベネフィットを感じる人が増えている」(松浦氏)との見方を示した。ちなみにこの点については、日本はそれぞれ58%および50%と12カ国より低いが、図2に示すように前年と比べた伸び率は変わらない。
PCによる仕事やプライベートでのAIの使い方については図3に示すように、「言語の翻訳」(44%)、「インターネット検索」(39%)、「デジタル音声アシスタント」(37%)、「編集」(36%)、「データ分析または解析」(30%)、「イメージ制作、戦略プランニング、調査」(26%)などが挙がった。
その上で、松浦氏は次世代AI PCに求められるものとして、「パーソナライズされた体験」「セキュリティとプライバシー保護」「スピード」「コスト削減」の4つを挙げた(図4)。
この4つの中で特に注目すべきは、パーソナライズされた体験だ。これについて同氏は、「これまでクラウドベースだったAIの活用がPCでも行えるようになり、ユーザーがAIを使って行っている内容をPCがどんどん覚えていくようになる。その結果、PCがそれぞれのユーザーに合ったレスポンスやサポートをしてくれるようになり、しかもそのレベルがどんどん深化していく。まさしくPCがそれぞれのユーザーの“分身”のようになっていく」と説明した。