ServiceNowのカスタマーワークフロー担当に聞く、CX変革への道筋

今回は「ServiceNowのカスタマーワークフロー担当に聞く、CX変革への道筋」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 ServiceNow カスタマー&インダストリーワークフロー担当 シニアバイスプレジデント(SVP) 兼 GMのJohn Ball(ジョン・ボール)氏に、同社が提供するプラットフォーム「Now Platform」に構築されるカスタマー&インダストリーワークフロー製品の特徴や展開を聞いた。

 ServiceNowのカスタマー&インダストリーワークフローは、「カスタマーサービス管理」(CSM)、「フィールドサービス管理」(FSM)、「インダストリー(業種別)ソリューション」――の3つから成り立っており、業種別ソリューションでは、銀行や通信会社、小売りなどさまざまな業種に向けて展開している。

 同社は日本を最重要市場に位置付けており、Ball氏が担うカスタマー&インダストリーワークフローも日本市場で大きく伸びているという。同氏は「日本文化自体が顧客サービスを大変重く受け止め、重視している。われわれのお客さまがその先のお客さまに対して、素晴らしい体験を提供するということを支援するカスタマー&インダストリーワークフローは重要な存在だ」と、日本市場に対する魅力を語る。

 同社では顧客関係管理(CRM)市場において新しいアプローチ方法を採っている。同氏は「CRMというソリューションはインテーク(取り込み)の部分が得意だった。つまり、顧客からのリクエストや受注、苦情などを取り込むことにはたけていたが、エンドツーエンドで一気通貫というのはあまり得意ではなかった」とCRMの課題を述べた上で、ServiceNowのカスタマーワークフローの製品群を利用することで顧客体験(CX)の向上にもつながると説明する。

 例えば、銀行における異議申し立てや物流会社での荷物の紛失などがあった場合に、顧客は電話やメール、ウェブサイトなどからリクエストをするが、企業側は複数の部門がリクエストの対応に関わる必要があり、非効率で時間を要していた。同社のCSMなどを導入することで、リクエストからやるべきことを自動でタスクに変換することができ、結果としてリクエストの対応に迅速に応えることができるとしている。

 また、カスタマーワークフローを強化する製品の一つであるFSMは、ニーズが発生している場所を把握し、適切なサービスを迅速に提供できる。最近の顧客事例では、訪問医療を行う米Elara Caringが、FSMを活用して医療が必要な患者の自宅に適切なスキルと薬を持った看護師を適切な時間に訪問させる取り組みをしているという。

 ほかにも、同サービスの需要が高い通信業界では、消費者向け(BtoC)と法人向け(BtoB)の双方で利用されている。例えば、家庭用機器であるモデムなどの機器を設置するために人員や機器を手配したり、基地局などでネットワークが断線した際に対応できるスタッフを派遣したりと、適切な人員やサービスを提供できるように同サービスを利用しているという。

 FSMの導入は小売業などにも広がっているが、物理的なものがある場所であればどこでも導入の機会はあると同氏は言う。「FSMの潜在力がある領域は、やり方が古くて非効率なところであれば、リプレースできると考えている。これはCSMについても同様で、クラウドではない、やり方が非効率である場所には導入の機会があると考えている」

 同社はAIに対しても投資を続けており、Now Platformには生成AIサービスとして「Now Assist」や自律的にタスクを実行するエージェント型AI、仮想エージェントによるチャットボットが搭載されている。カスタマー&インダストリーワークフローにおいては、顧客サービス担当者が利用するエージェントデスクトップにおける生成AIの拡張を進めているという。

 エージェントデスクトップでは、前任者のタスクを後任に引き継ぐ際に、生成AIがタスクを振り返り、まとめる作業を自動で行うため、後任者は迅速にタスクに取りかかることができるようになる。また、顧客サービス担当者の生産性が上がることで、セルフサービスをできるようになり、業務の効率化だけでなくCXの向上にもつながるとしている。

 英国の通信事業者であるBT Groupでは、生成AIサービス「Now Assist for Telecom Service Management(TSM)」を導入したところ、顧客の問い合わせから解決にかかるまでの時間を約33%削減することができた。これは案件の要約機能により、顧客サービス担当者が要約を作成する時間を短縮できたことや、複雑な案件のレビューにかかる時間を短縮できたことが理由だという。

 生成AIのほかにも、「Sales and Order Management(セールスと注文管理)」(SOM)の展開にも尽力している。SOMは、セールスと注文のライフサイクルを組織内でつなぎ、販売後の変更を管理できる。これにより、新製品の迅速なリリースと収益化までの時間を短縮できるとしている。

 「CRMは、『セールス』『サービス』『マーケティング』からなっており、われわれは当初サービスに注力していた。しかし、最近ではセールスとサービスの境界線がぼやけてきている」と、注力する背景を同氏は述べる。顧客からもSOMの構築に関する依頼が重なり、顧客の製品カタログの定義付けを行い、「Configure(製品構成)」「Price(価格)」「Quote(見積もり)」(CPQ)をできるようにしたという。

 Ball氏は「当社のモットーは、当社のお客さまが素晴らしいサービスを消費者に提供するお手伝いをすること」だとし、「だからこそSOM、CSM、FSMがNow Platform上に構築されていることで、シームレスな体験を顧客や消費者に提供できる。そうすることで効率的で、さらに可視化されたプロセスとなり、お客さまの満足度向上につながる」と語った。

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