積水ら、住宅物流に共同輸送を導入–トラック2160台分の運転時間削減

今回は「積水ら、住宅物流に共同輸送を導入–トラック2160台分の運転時間削減」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 物流会社のセンコーと住宅メーカーの旭化成ホームズ、積水化学工業、積水ハウスの4社は12月16日、住宅物流での協業を開始すると発表した。「住宅物流4社協議会」を発足し、共同輸送により、トラック2160台分の運転時間削減を目指す。

 今回の共同輸送は、旭化成ホームズ、積水ハウス、積水化学工業の3社が持つ7エリア29物流拠点を共同で利用、統合することで、効率的な物流体制を築くというもの。一部、センコーの車両を共同利用するほか、積載効率を上げる「共通パレット」の導入も検討するなど、輸送力を強化する。これにより、ドライバーの運転時間を1万7000時間(トラック2160台分)と、輸送二酸化炭素(CO2)排出量排出量500トンの削減を目指す。

 2024年4月の「働き方改革関連法」により、トラックドライバーの時間外労働における上限規制が強化された。これにより、輸送に関わるドライバーのさらなる減少が見込まれ、対策を打たなければ2030年度までに約30%の輸送力不足が予測される。また、国の対策として、2040年度にCO2排出量を2013年度比で35%削減することが目標となり、物流業界では一層の取り組みが推進されている。

 センコー 代表取締役社長の杉本健司氏は「住宅部材は、建築現場でクレーンを使い荷下ろしするため、屋根のないフラット型の荷台トラックである平ボディ車が必要になる。養生シートをかける、外すなどの複雑な作業が発生する中で、昨今では、荷室側面上部が持ち上がるウイング車両への乗り換えが進んでいる。加えて、現場の職人の方と連携した荷下ろしができる特殊技能を持つドライバーが必要になるが、住宅物流に必要な設備と熟練ドライバーが年々減ってきている」と現状の課題を挙げる。

 物流拠点の共同利用に加え、センコーが中継基地となる「TSUNAGU STATION」を整備することで、ドライバーの労働環境改善、法令順守徹底につなげるとのこと。TSUNAGU STATIONでは、ドライバーの乗り替え地点として機能することで、トラック1台の走行時間の減少と、ドライバー1人のハンドル時間の削減を実現する。現在、静岡県浜松市にTSUNAGU STATIONを用意しているが、今後はほかの拠点にも導入していく計画だ。

 車両の大型化として、ダブル連結トラックを活用していくほか、環境へも配慮し、電気自動車(EV)や次世代型バイオ燃料(RD)車両を導入し、CO2排出量の削減を目指す。

 住宅メーカー3社のコメントは以下の通り。

 住宅物流での協業は、志を一つとして4社が集まり、非常に意義のある活動だと感じている。旭化成ホームズでは、良質な住宅の供給と、さらに社会活動、社会課題解決に向けしっかり取り組んでいきたい。

 積水化学工業が展開する「積水ハイム」は、家づくりのほとんどを工場で行うユニット方法を採用しており、サプライヤーの製造拠点、お客さまの建築現場を含めて輸送網の構築は事業の基盤。これを最適化することは収益性の改善にもつながるが、それ以上に脱炭素社会に向けた社会的責務があると捉えている。4社での枠組みを通じて、個社単独では推進しきれない物流の効率化と環境への社会貢献を加速していきたい。

 2024年問題を受け、トラックドライバーが不足していく中で、住宅会社は近い将来、物が運べなくなるのではないかという強い危機感をもってきた。運送事業者であるセンコーとともに課題を解決することで、協議を重ねてきたが、今日を迎えられてうれしく思っている。各社の強みを生かし、弱みを補いあいながら、輸配送の平等化だけではなく、あらゆる物流面で効率化し、環境面でも貢献していきたい。

 今回の協業は、以前からワーキンググループや話し合いベースで進めていたものを、2023年から各社の社長などが集まり、取り決めを開始したことで、本格的にスタートしたもの。「しっかりと形を作り、成功してから各社に広げていきたい」(杉本氏)とした。

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