キヤノンITS、液冷方式対応データセンターを公開–成長ドライバーとして価値を常に提供
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キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は12月13日、「西東京データセンター」の見学会を実施した。12月に稼働を開始した液冷設備の実稼働環境を公開したほか、「SOLTAGE(ソルテージ)」としてブランドとして展開する取り組みについて話した。
西東京データセンターは、2012年に開設。武蔵野台地の中央に位置し、強固な地盤を持つほか、都心から約20kmの距離で利便性にも優れる。2020年には需要の伸びから2号棟を新設。併せて5180のラックを設置でき、受電能力は40メガボルトアンペア(MVA)。BCPオフィスとしても利用できる2166平方mの事務所スペースを備える。
2号棟は、12月1日に直接液冷方式(Direct Liquid Cooling)のサーバーに対応したデータセンターとして稼働。以前よりも高効率なサーバー冷却を可能にした。「最も発熱の大きいCPU/GPUの直上に取りつけたコールドプレートまで冷却液ホース引き込み、直接冷却する方式で、今後、液冷方式の主流になるもの。実用化されている液冷方式の中で最も効率が良い方式」(キヤノンITソリューションズ ITサービス技術統括本部データセンターサービス本部 D2プロジェクト プロジェクト長の武田智史氏)と採用の経緯を明かす。
AIソリューションの活用や画像を含む多量のデータ処理により、高性能サーバーの需要が高まる中、サーバーメーカーは、より高性能なGPU/HPCサーバーの開発に注力している。サーバー能力の向上により、稼働時の発熱量が増え、従来の空冷方式に比べ、より効率的な冷却ができる液冷方式の採用が急速に進む。
キヤノンITSでは、2024年3月に液冷方式によるサーバーの設置を顧客が希望。約4カ月で設備を整え、12月に本格稼働を迎えた。液冷方式のサーバーはメーカーごとに仕様が異なるが、「どのメーカーのサーバーを導入されても、対応できるように選択肢の幅を設けている」(キヤノンITソリューションズ ITサービス技術統括本部 統括本部長の郡田江一郎氏)と強みを挙げる。
サーバールーム内への冷水供給は、配管から2Nの冗長化構成で室内に配管を引き込み、ループ配管方式により、バルブ閉止にして切り離しても、冷水の供給を継続。配管に切り離しのためのバルブを設けることで、ほかのラックに影響なく障害ラックのみを切り離せる構成としている。
現在運用している、直接液冷を搭載した高密度型サーバーは、日本ヒューレット・パッカード(HPE)の「HPE Cray XD2000」。GPU、CPU、メモリーモジュールなどのコンポーネント上に冷却液を直接流すことで、強力な冷却を実現するという。
キヤノンITソリューションズ 取締役常務執行役員の吉田啓氏は「ITインフラサービスについては、SOLTAGEブランドとして、クラウドネットワークやシステムの運用、セキュリティ、データセンターを展開し、お客さまのビジネス拡大を強力に支援していく。企業のITに関する全てをお任せいただけるパートナーとしてのプレゼンスを高めるため、現在、認知度の向上を強化している。ITプラットフォーム事業の売り上げは順調に伸びており、2025年に向け、2022年以降の4年間で年平均成長率(CAGR)は約11%程度の成長を見込む。その中でも、データセンター事業は重要な成長ドライバーとなっており、事業部全体における売り上げの約40%を担う。今後もお客さまの声に耳を傾け、常に新しい価値を提供していきたい」とした。