IIJ、マルチクラウドでIT部門のDX貢献を支援する施策を発表

今回は「IIJ、マルチクラウドでIT部門のDX貢献を支援する施策を発表」についてご紹介します。

関連ワード (クラウド等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

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 インターネットイニシアティブ(IIJ)は1月16日、IT部門が自社のDX推進により貢献していけるよう支援することを目的とする施策を発表した。マルチクラウドの観点でIT部門を支援する2つの新サービス「IIJ統合運用管理サービス オブザーバビリティ」と「IIJデータ可視化ソリューション with Splunk Cloud Platform」を提供する。

 同日の記者会見に登壇した取締役 専務執行役員 ビジネスユニット長の北村公一氏は、今回表明の施策の背景を説明した。同社は、これまでデジタル技術により企業や組織の仕事環境の向上を支援する戦略「デジタルワークプレース」(DWP)を実行してきた中で、現在はデジタル技術の重要性がITシステムからビジネス全体に拡大し、DXの実現に貢献することなどが求められるようになり、それを踏まえて今回、同社はDWPを拡張した「DX Platform」(DXP)を新たに掲げ、DXを実現するためのプラットフォームを提供していくという。

 北村氏は、IT部門にはITやデジタルの活用を通じて、ビジネスを変革するDX推進を担う役割が期待されているとしつつ、実際にはペーパーレス化など業務のデジタル化にとどまり、本質的なDXの実現に貢献し切れていないとも述べる。その結果、DX推進は事業部門などが主役でIT部門の関与が十分でなかったり、従前から抱えているIT領域の課題などがDX推進の足かせになっていたりすると指摘した。

 また、ITの観点で、DX推進には目的や用途に応じて異なる複数のクラウドサービスが利用されるマルチクラウド環境の実情があり、IT部門は上述の課題を含めてマルチクラウド環境の運用の難しさにも直面しているとする。北村氏は、IT部門が本質的なDXの推進に貢献できるよう同社としてDXPを掲げ、プラットフォームサービスの提供を拡充していくとした。

 DXPとマルチクラウドについては、クラウド本部副本部長 兼 ネットワーク本部 副本部長 兼 DXP戦略室長の吉川義弘氏が踏み込んで説明した。吉川氏は、北村氏の指摘する課題を抱えたIT部門がDX推進にマルチクラウドで貢献していく上で、事業部門などが安心・安全に利用できる環境をIT部門が提供できるよう同社がDXPを通じて支援していくと述べる。

 この点で同社は、従前のDWPにおいて「エンドポイント」「ID」「ネットワーク」の3つを組み合わせ提供してきたとする。DXPでは、これらにマルチクラウドを加えた4つを組み合わせることでDX推進に必要な「ガードレール」となり、同社がプラットフォームとしてIT部門に提供していくとしている。

 マルチクラウドでIIJは、同社サービスの「IIJ GIO」のほか、ハイパースケーラーなど他のクラウドサービス提供各社のサービスも長らく手掛けて顧客に提供。クラウド各社の技術資格など多数保有するほか、豊富なマルチクラウドへの移行や運用、セキュリティ対策などに関する経験や知見のもと、独自に「IIJ Cloud Adoption Framework」(IIJ CAF)として、マルチクラウドを成功させるための「ビジネス戦略・計画」「組織・人材」「導入(計画・構築・移行)」「環境」「オペレーション」「ガバナンス」「セキュリティ」の7つの要素を定めている。

 吉川氏は、同社がマルチクラウドに精通した「マルチクラウドMSP(マネージドサービスプロバイダー)」となり、DWPやIIJ CAFに基づくプラットフォームサービスを順次提供しているとした。今回発表の2つの新サービスは、これまでのプラットフォームサービス全体を拡充するものにもなっている。

 クラウド本部 MSP推進部長の福原亮氏は、同社では2012年からITシステム環境の統合運用管理サービスを提供していると説明。新サービスの1つのIIJ統合運用管理サービス オブザーバビリティは、マルチクラウドのシステム環境におけるオブザーバビリティ(可観測性)を提供するもので、ベースには「Splunk Observability Cloud」を採用している。これによってマルチクラウドのシステム環境の運用改善を図るために必要な要素がそろうという。ここでは監視対象などに応じて4つのメニューを用意し、利用料は1契約当たり月額3500~1万9500円を設定。ログ容量の追加オプションもラインアップする。

 もう一方のIIJデータ可視化ソリューション with Splunk Cloud Platformは、同社サービスや顧客が管理するIT機器も含めたログデータの取り込み機能と、「Splunk Cloud Platform」をベースに同社の分析・可視化のノウハウを加味したダッシュボード機能を提供する。

 福原氏は、新サービスを含むシステム運用の品質向上を図るプラットフォームが顧客のマルチクラウド活用を支えるガードレールになると強調し、導入からデータ分析までを支援するとした。

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