「3つのI」で新たなビジネスを創っていきたい–IIJ次期社長の谷脇氏
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インターネットイニシアティブ(IIJ)の社長に4月1日付で就任する谷脇康彦氏。総務省の事務方ナンバー2の総務審議官を歴任し、2022年6月からIIJで副社長を務めてきた同氏に、今の思いを聞いた。
IIJは1月9日、代表取締役社長執行役員 Co-CEO(共同最高経営責任者) & COO(最高執行責任者)に取締役副社長執行役員の谷脇康彦氏が4月1日付で就任する人事を発表した。総務省の総務審議官を歴任した通信分野のオピニオンリーダーの一人である同氏は、IIJの社長になって何をやりたいと思っているのか。取材の機会を得たので、さまざまな角度から話を聞いてみた。
谷脇氏は、まず社長就任に当たっての抱負について次のように話した。
「IIJはインターネット関連の技術を起点としている企業なので、その路線はしっかりと継承しつつ、データ連携による新規事業への取り組みや、ますます重要性が高まるサイバーセキュリティ対応への強化、人材育成などに注力していきたい。また、マネジメント面では、IIJのエンジニアが個々に持つ技術力を社内外でもっと連携させて、さらなるシナジーを生み出せるような形にしていきたい」
データ連携による新規事業については、「データを活用していく上で、これまではデータベースに象徴されるように、データをまず集めるところが注目されてきた。だが、これからはそれぞれの分野のデータを連携させることが新たなビジネスを創っていく、イノベーションの起点になる。そのデータを連携させるためにはネットワークが欠かせない。そこにIIJの新たな役割があると確信している」とのこと。こうした取り組みは、「データスペース」(国境や分野の壁を越えた新しい経済空間)で展開されることになるという。データスペースは今後のキーワードになりそうだ。
IIJに入社して2年半ほどの谷脇氏は、IIJの強みと課題をどう見ているのか。強みについては、「通信」をはじめとしたカテゴリー論とともに次のように語った。
「IIJといえば、通信分野の技術が強みと見られているかもしれないが、通信も放送も情報処理もカテゴリーとしては既に存在せず、これらの技術やビジネスは“デジタル”として融合しつつある。そもそもインターネットは、ネットワークとコンピューターの両技術が融合したもので、デジタルのインフラとして欠かせないものとなっている。このインターネットは非常に奥深い技術であり、たゆまぬ進化を続けている。だからこそ、IIJはインターネットを軸としたデジタルインフラの分野でフロントランナーであり続けたいと。それが使命だと考えている」
このカテゴリー論は、IIJがどうこうではなく、IT業界だけでもなく、全ての人がしっかりと認識すべき話だと筆者も同意する。
さらに、IIJがインターネットを軸としたデジタルインフラの分野でフロントランナーであり続けるために、谷脇氏は「IIJがこれまで取り組んできたことは“連続的なイノベーション”だ。その継続とともに、これからはAIをはじめとした新たなデジタル技術を駆使して“非連続なイノベーション”にも積極的にチャレンジし、思い切った事業領域の拡大といったことも考えていきたい」とも語った。
一方で、IIJの課題については、先述した「エンジニアの技術力の連携」とともに、「IIJがこれまで個別に進めてきたプロジェクトの内容をソリューションとして適用できるようにし、さまざまな社会課題を解決できる形にしていきたい。各プロジェクトの内容を見ると、そのポテンシャルは大いにあると感じている」ことを挙げた。課題を期待に変えるというのも谷脇流のようだ。