DeepSeekの新オープンソースAIモデル、わずかなコストで「o1」同等の性能発揮
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オープンソースのAIが新たなマイルストーンに到達した。そのコストの差は、業界を揺るがすかもしれない。
中国のAI研究所であるDeepSeekは米国時間1月20日、最新のオープンソース推論モデル「DeepSeek-R1」の正式版をリリースした。2024年11月にはプレビュー版の提供が開始されていた。同社は、R1が「OpenAI o1」を上回る、または同等の性能であることを、複数の数学・コーディング・推論のベンチマークで示したと説明した。
o1と同様、R1の推論はほかのモデルよりも回答に時間がかかるが、そのクエリーはより洗練され、正確に設計されている。6710億パラメーターのモデルとともに、DeepSeekはローカルデバイスで実行可能な15億パラメーターの軽量版を6種類リリースした。
「Pushing the boundaries of **open AI**!(OpenAIの限界を押し広げる!)」とDeepSeekは「X」の自社アカウントにおける一連の投稿でほのめかした。
DeepSeekのリリースは、オープンソースの推論モデルにおいて有望な傾向を示している。カリフォルニア大学バークリー校の研究者は1月14日、「o1-preview」と同等のオープンソースモデルの開発に成功した。開発には、19時間と約450ドルのコンピューティングコストしかかからなかった。
価格体系の面でも、R1はOpenAIにとって手ごわい競争相手となる。APIアクセスは、100万トークン(約75万語の分析)でわずか0.14ドルから可能であり、OpenAIは同等のレベルで7.50ドルを請求している。OpenAIは現在、「ChatGPT Pro」を通して、年間2400ドルでo1への無制限アクセスを提供している。
複数の研究所がOpenAIと同等の能力を持つモデルを構築できるようになったことで、競争力のあるAIだからといって極端に高額な利用料を請求すべきではないといえる。DeepSeekとカリフォルニア大学バークリー校の両者がオープンソースAIで躍進し、そのトレーニング方法を公開していることで、しばらく忘れられていた(AIをオープンソースで提供し、広く共有するという)OpenAIの本来の使命に注目が集まっている。
R1には幾つかの制限がある。中国企業が開発したモデルは、中国政府による特定の検閲の対象となるため、能力は同等であるものの、o1と比べて特定のクエリーには応答できない可能性がある。米ZDNETのTiernan Ray氏によるテストでは、「R1-preview」はo1-previewと比較して思考の過程を明確に説明することに苦戦し、Ray氏は「o1にはない不可解さと退屈さ」を感じさせられたという。
現時点では、OpenAIは次世代モデル「o3」のリリース準備を進めている。ユーザーは、「MIT license」を通してR1にアクセスし、DeepSeekのAIチャットプラットフォーム「chat.deepseek.com」上でモデルと対話したり、APIを確認したりできる。