「Wine 10.0」がリリース–「Linux」で「Windows」アプリ実行がより快適に
今回は「「Wine 10.0」がリリース–「Linux」で「Windows」アプリ実行がより快適に」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
筆者のような筋金入りの「Linux」ユーザーでも、「Windows」にしか存在しないプログラムを実行しなければならないことがある。
そのようなときは、「Wine」(以前は「Wine Is Not an Emulator」の頭字語だった)を使用することが多い。Wineは、Linuxや「macOS」「FreeBSD」といった「POSIX」準拠のOSでWindowsアプリケーションを実行できる互換性レイヤーを提供する。Windowsのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)コールをオンザフライでPOSIXコールに変換することで、ユーザーがデスクトップ上でWindowsアプリケーションを統合して実行できるようにする。
米国時間1月21日、オープンソースコミュニティーによって、「Wine 10.0」が正式にリリースされた。このメジャーアップデートには、実験的なBluetoothドライバー、新しいポインターデバイスドライバー、「Wayland」グラフィックスドライバーの強化など、多くの新機能や前バージョンからの改善点が含まれている。
強化されたWaylandドライバー(おそらく、Wine 10.0で最も重要な改善点だろう)には、「OpenGL」のサポート、「pBuffer」のサポート、ウィンドウ配置の改善など含まれる。これは、Linuxシステムがより現代的なディスプレイサーバープロトコルに移行したことを示している。ユーザーにはどんな恩恵がもたらされるのだろうか。Wineは、現代的なLinuxデスクトップディストリビューションで、Windowsのグラフィックスをこれまで以上にうまくレンダリングできるようになる。
このリリースでは、「FFmpeg」を使用する新しい「Media Foundation」バックエンドなど、重要なマルチメディア機能の強化も提供される。この人気の高いオープンソースライブラリーは、ほぼすべての動画ストリーミング形式をレンダリングできる。このバックエンドにより、Microsoftのマルチメディアフレームワークに依存するWindowsアプリケーションとの互換性が向上するはずだ。つまり、Linux上のWindowsプログラムの動画も改善されるはずである。
とはいえ、これはまだベータ版の機能であり、特に「Direct3D」を使用した再生については、改善の余地がある。この機能を有効にするには、「HKCUSoftwareWineMediaFoundation」レジストリーキーで「DisableGstByteStreamHandler=1」という値を設定する。
ゲーマーやグラフィックスを多用するアプリケーションのユーザー向けに、Wine 10.0では、Direct3Dのサポートが強化されている。例えば、Direct3Dのレガシーバイトコードから「SPIR-V」へのコンパイルのサポートや、エフェクトプロファイルをコンパイルする「HLSL」コンパイラーのサポートなどが追加された。「Vulkan」ドライバーのインターフェースも作り直されており、ゲームや3Dアプリケーションのパフォーマンスが向上する可能性がある。
ゲーム愛好家たちは、Wine 10.0にゲーム関連の修正が多数含まれており、「Forza Horizon 4」や「アサシンクリード」「ファイナルファンタジーXI」などの人気タイトルのさまざまな問題が対処されていることを歓迎するはずだ。