オラクルが描く「データとAIの未来」–データ管理の再構築で「究極のシンプルさ」を追求

今回は「オラクルが描く「データとAIの未来」–データ管理の再構築で「究極のシンプルさ」を追求」についてご紹介します。

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 日本オラクルは2月13日、都内で年次イベント「Oracle CloudWorld Tour Tokyo 2025」を開催した。「データとAIの未来」と題した基調講演では、米Oracle ミッションクリティカル・データ/AIエンジン担当シニア・バイスプレジデントのTirthankar Lahiri氏が、同社データベース製品の主要な機能を紹介した。

 Lahiri氏はまず、「従来のデータベースとデータウェアハウスは、非常にシンプルな世界だった」と振り返る。しかしながら、昨今は「ドキュメント、空間データ、テキストなど、さまざまな種類のデータが存在し、データストリーミング、IoT、グラフデータベース、AIなどの新しいテクノロジーが導入されている」と指摘する。

 「これらの新しいテクノロジーには、それぞれに専用データベースが必要であり、今日のアプリケーションは多くの場合、それらを組み合わせて構築されている。その結果、開発者やIT部門は、複雑さ、コスト、データ損失、データ整合性の問題に直面している。この問題は、AIを組み込むことでさらに深刻化している」(Lahiri氏)

 Oracleは、データ管理の再構築を通じて複雑さを排除し、新しいテクノロジー間の連携と効率性を向上させることを目指している。そのために、あらゆるデータタイプとワークロード、ハードウェアとソフトウェアを統合し、「究極のシンプルさ」(同氏)を提供する。

 加えて、オンライントランザクション処理(OLTP)、データウェアハウス、データレイクハウス、ミッションクリティカルなスタック、アプリケーションとデータの統合、AIとアプリケーション開発など、「連携を前提とした設計」になっているとLahiri氏は強調した。

 同氏によると、Oracleのデータベース戦略の基本は、全てのデータとワークロードを統合することにあるという。これによって、それぞれのワークロードに最適化された専門アルゴリズムを使用し、あらゆるニーズに対応できる柔軟性と拡張性を提供する。

 実際、最近のトレンドであるAIベクトルや「Apache Iceberg」テーブルのサポートに加え、主要なデータタイプに対応することでそれぞれに最適化されたデータアーキテクチャーを提供している。これは、「複数のデータタイプが混在する昨今のアプリケーションに最適」だという。

 「新しいデータタイプやワークロードが必要になった場合でも、新しいSQL文を追加するだけで対応できる。超高速JSONやISO標準SQLによるグラフクエリーのサポートも追加された」(Lahiri氏)

 「Oracleのデータベースのコアには、共通のミッションクリティカルなデータエンジンが存在し、全てのワークロードタイプとデータタイプに対して、透過性、原子性、並列性、高可用性、セキュリティ、そして耐障害性を提供する。さらに、高負荷でミッションクリティカルな顧客に対応するため、ロックフリーの更新やトランザクションマイクロサービスのサポートも追加した」(同氏)

 同社のデータベース戦略では、ハードウェアとソフトウェアの統合も重視している。その代表例が「Exadata」になる。Exadataは、スマートストレージ、スケールアップ/スケールアウト、Remote Direct Memory Access(RDMA)ベースのネットワークアーキテクチャーを備え、さまざまなワークロードに対して高い性能と可用性を提供しつつ、コスト削減を実現する。

 現在、ExadataはFortune 100企業の79%に採用されており、そのうち58%がクラウドで利用している。日本でも多くの企業が導入しているという。さらに、競合サービスと比較してOLTPで最大70倍、分析データスループットで最大30倍の高速化を実現しているとする。「これは、ハードウェアとソフトウェアの連携によるExadataプラットフォームの強さを示している」(同氏)

 また、最新世代のExadataは、「Exascale」と呼ばれるソフトウェアアーキテクチャーを採用した。従来のデータインテリジェンス、インテリジェントストレージ、超高速RDMAベースのデータアクセスに加えて、クラウドの弾力性も備えているとする。

 「Oracleのデータベースとクラウドは、オンプレミスのデータセンターにあるExadataや汎用(はんよう)ハードウェア、主要なクラウドなど、基本的にどこでも利用できる。『Cloud@Customer』はクラウドの完全な自動化、機能、パフォーマンスを自社のデータセンター内で実現する。アプリケーションとデータは全て自社のデータセンター内にとどまりながら、クラウドの利便性を享受できる」(Lahiri氏)

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