アマゾン、生成AI機能を搭載した「Alexa+」を発表–より自然な応答など可能に
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Amazonは米国時間2月26日、ニューヨークでイベントを開催し、生成AI機能を搭載した音声アシスタント「Alexa+」などの製品・サービスを発表した。
Amazon 最高経営責任者(CEO)のAndy Jassy氏は「数年前までは、AIを使って何かを発明することは非常に困難だった。しかし、基盤モデルと生成AIの登場によって、状況は一変した。これにより、テクノロジーははるかにアクセスしやすくなり、人々は生成AIがもたらす力と魔法を目の当たりにできるようになった」と述べた。
今日のイベントの最大の発表は予想通り、Alexaに生成AIの力を与えることだった。Microsoftの元最高製品責任者で現在はAmazonのデバイス&サービス部門を率いるPanos Panay氏によれば、Alexa+はより自然な応答が可能で、会話の中で複数の要求を同時に処理し、質問に対して定型的な返答ではなく、状況に応じた内容を生成する。さらに、ユーザーの好みを記憶する高度なパーソナライズ機能を持ち(「ChatGPT」のメモリー機能と同様)、ユーザーとのやりとりをより効率的にし、「ユーザーの生活リズム」を学習するという。
加えて、Alexa+は文脈認識能力を備えているため、長時間の会話を継続し、「Alexa Answers」の投稿者からの回答を提供するのではなく、直前の質問以前に尋ねた内容を記憶できる。また、デモで示されたように、学校の行事予定表や住宅管理組合の規則などの文書を読み込んで処理し、質問に答えることも可能である。
新しいAlexa+は、3月から一部のユーザーに提供が開始され、その後段階的に展開される予定だ。
Amazonは2023年のイベント後、新しいAlexaについてほとんど語らなかった。うわさによると、同社は性能不足を理由に生成AIの発表を繰り返し延期せざるを得なかったという。幸いなことに、同社はついに「Alexa 2.0」を円滑に稼働させることができたようである。
Alexaは米国の仮想アシスタント市場で圧倒的な支持を集め、米国人の約3分の2が利用している。しかし、近年、Googleの「Gemini」やAppleの「Siri」といった他社のAIアシスタントが進化を遂げる中で、Alexaは遅れを取るようになった。OpenAIのChatGPTが登場し、生成AIが急速に普及する中で、多くのアシスタントがその波に乗ったが、Alexaは取り残された感があった。しかし、今回の発表により、Alexaもついに新たな時代へと踏み出すこととなった。
この2年間で、生成AIを搭載した新しい世代の仮想アシスタント、つまりChatGPTや「Copilot」、Gemini、Siriなどが急速に台頭した。「Amazon Bedrock」モデル(NovaやAnthropicを含む)を搭載した新しいAlexa+が、実際の使用場面でどれほどの性能を発揮するか、今後の展開を見守りたい。
Alexa+は、月額20ドルのサブスクリプションサービスとして提供され、プライム会員は無料となる。サブスクリプション制の導入は1年ほど前からうわさされており、驚くべきことではない。しかし、うわさでは月額5~10ドル程度とされていたため、20ドルという価格設定は予想外だ。この価格帯では、Alexa+は「ChatGPT Plus」のサブスクリプションと同額となる。
従来のAlexaも引き続き利用可能となっている。ただし、同社がいつまでサービスを継続するかは不明である。
Alexa+の発表に伴い、Echo Show向けのプラットフォームも刷新された。新たなユーザーインターフェース(UI)は、まず大画面モデルから新しいデザインが導入される。さらに、Alexa+とセキュリティカメラ「Ring」の連携により、Echo Showで新たな体験を提供する。
再設計されたEcho Showのユーザーインターフェースは、お気に入りのウィジェットのための洗練されたレイアウトと、画面全体に統一感のある外観を備えている。Alexa+は、大画面のEcho ShowデバイスであるEcho Show 15とEcho Show 21にアダプティブディスプレーを導入し、遠くから見た場合には簡略化された表示を行い、デバイスに近づくとカスタマイズされた画面に移行する。
Echo Showの新UIは、お気に入りのウィジェットを配置するための洗練されたレイアウトと、画面全体に統一感のある外観を備えている。Alexa+によって大型モデルの「Echo Show 15」と「Echo Show 21」はアダプティブディスプレーに対応し、遠くから見た場合には簡略化された表示を行い、デバイスに近づくとカスタマイズされた画面に切り替わる。