「Google Chrome」で多数の拡張機能が利用不能に–新仕様「Manifest V3」の影響を考察

今回は「「Google Chrome」で多数の拡張機能が利用不能に–新仕様「Manifest V3」の影響を考察」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Googleは、「Google Chrome」の機能拡張プラットフォームとして「Manifest V3」を正式に実装した。これには良い知らせと悪い知らせの両方がある。前者は、Manifest V3によってChrome内での安全性とセキュリティが向上する可能性が高いということ。後者は、サポートされていない拡張機能が積極的に無効化またはブロックされていることだ。

 過去数年にわたり開発されてきたManifest V3は、「Manifest V2」の後継であり、拡張機能の動作をより厳密に制御するものである。悪意のある拡張機能や疑わしい拡張機能は、Chromeを含むあらゆるブラウザーにとって問題となっている。この問題に対処するため、新しいプラットフォームでは、「Chromeウェブストア」で提供される拡張機能の安全性と信頼性をより確実なものにするという。

 バグのある拡張機能や悪意ある拡張機能をChromeにインストールしたことがある人は、Manifest V3を前向きな一歩だと感じるだろう。誰もがChromeで適切に動作する安全性の高い拡張機能を求めている。しかし、多くの拡張機能がManifest V3をサポートできない、またはサポートしないため、その対策をChromeユーザーが考えなければならなくなった。

 まずはuBlock Originから見ていこう。これはChromeの拡張機能として長年提供されている人気の広告ブロッカーだ。ChromeウェブストアでuBlock Originのページを開くと、インストールがブロックされ、次のようなメッセージが表示される。「この拡張機能は、Chrome拡張機能のベストプラクティスに沿わないため、まもなくサポートされなくなる可能性があります」

 uBlock Originを既にインストール済みの場合は、次にChromeを開くときに、uBlock Originが無効になったことが通知される。「拡張機能を管理」を確認すると、この拡張機能のサポートが終了したため、無効にされたと説明するメッセージが表示される。

 開発元は2024年11月に「GitHub」で次のように述べていた。「『Google Chrome 127』より、Chrome拡張機能のページにuBlock Origin(uBO)の警告が表示されるようになる」「これはManifest V2のサポートが廃止され、Manifest V3が採用されるからだ。uBOはManifest V2の拡張機能であるため、Google Chromeブラウザーに警告が表示される。uBOのManifest V3版はないため、ChromeはuBOの代わりに別の拡張機能を提案するだろう」

 uBlock Originを引き続き使用したいなら、Chromeでの唯一の選択肢は「uBO Lite」(uBOL)を使うことだ。uBOLはManifest V3に準拠する軽量版だが、完全版には含まれるサポート対象外の機能は一切利用できない。

 もちろん、この大整理の影響を受ける拡張機能は、uBlock Origin以外にも多数ある。米ZDNETのAly Windsor記者は、使用していた3つのChrome拡張機能、「Image Downloader」「Publisher Extension」「Word Counter Plus」が無効になり、動作しなくなったことを確認した。筆者に関しては、「XBrowserSync」という拡張機能を使用して、異なるブラウザー間でブックマークを同期していたが、この拡張機能が無効化され、Chromeウェブストアでアクセスできなくなった。

 ウェブストアを調べたところ、以下のような無効になった拡張機能が大量に見つかった。

 この中には本当に安全でない拡張機能もあるだろう。それらについては、Googleによるブロックや無効化がChromeユーザーの役に立っているといえる。しかし、多くの拡張機能は今でも安全に使用可能で、GoogleがManifest V3で定めたガイドラインに適合していないだけだろう。

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