AIの企業利用で最適なパートナーを見つけるには–3人のリーダーに聞く選定のヒント
今回は「AIの企業利用で最適なパートナーを見つけるには–3人のリーダーに聞く選定のヒント」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
AIを試してみるという決定は、出発点でしかない。生成AIなどの新興テクノロジーをビジネスで使用するなら、データを安全かつ効果的に活用できるプラットフォームを用意する必要がある。
そのようなプラットフォームは、外部のテクノロジープロバイダーによって提供されるはずだ。では、AIパートナーに関して、優良な企業とそうでない企業を見分けるにはどうすればいいのだろうか。そして、優秀なテクノロジーパートナーとはどのような企業なのか。3人のビジネスリーダーに見解を聞いた。
Thomson Reutersのデータおよびモデルガバナンス担当バイスプレジデントのCarter Cousineau氏は、特にこの12カ月間で急速に発展した分野においては、優良なパートナーの選別が困難であることを認識している。
「生成AIは現在、少々混沌とした状態だ」とCousineau氏。「大げさな報道が多いが、個人的には、どのようなユースケースが定着するかという点に非常に興味がある」
報道の過熱ぶりは、Gartnerが先頃、2023年の「Hype Cycle for Emerging Technologies」で生成AIを「過度な期待」のピーク期に位置付けたほどだ。
Gartnerは、生成AIアプリケーションの規模と急速な導入によって、従業員の生産性と機械の創造性の新たな波が到来していると述べた。
Cousineau氏の考えでは、ビジネスパーソンはこのデータ主導のイノベーションの波に乗るべきだが、テクノロジーの構築や購入を検討している場合は特に、AIと大規模言語モデル(LLM)の導入が自社に及ぼす影響を慎重に考慮する必要があるという。
「多くのビジネスパーソンに最初に尋ねるのは、『大規模言語モデルは必要か』という質問だ」。Cousineau氏はこのように語る。「これには莫大なコストがかかる可能性があるからだ。そのため、大規模言語モデルへの投資が必要な分野であることを慎重に確認してほしい」
他のテクノロジーの購入と同様に、AIシステム/サービスへの投資の出発点は、明確なビジネスケースであるべきだ。
Cousineau氏は、Thomson Reutersが幅広いユースケースを検討中で、同氏のチームがあらゆる部門の従業員と協力してデータガバナンスに優先的に取り組んでいる、と述べた。
「これらのツールを倫理と被害軽減の観点から検討している」とCousineau氏。「ユースケースに応じて、何が起きているかを確認し、潜在的な懸念を迅速に軽減しようと努めている」
Thomson Reutersはすでに複数の重要なベンダーパートナーシップを締結した。企業情報は、データ主導のイノベーションの信頼できる唯一の情報源(SSOT)として、「Snowflake Data Cloud」に保存される。
Cousineau氏は、同社が締結中の「Microsoft Copilot」とのパートナーシップにも言及した。Microsoft Copilotは、ビジネスパーソンによる文書作成やプレゼンテーションの要約などを支援するAIアシスタントだ。
「さまざまなユースケースがあり、今はうまくいくものを選別する最終段階にある。また、既存の製品にもいくつか目を向けており、それらの一部の要素を使って、顧客サービス向上のための機能を構築する方法を考えているところだ」とCousineau氏は述べた。
「LLMを社内で使用する場合も、スタッフがこのテクノロジーを安全に使用できる環境を整えることが、非常に重要だ。そのため、社外の顧客と当社従業員の両方の観点から検討し、あらゆるLLM環境をサポートすることを考えている」
Eコマース大手Wayfairで機械学習担当ディレクターを務めるTulia Plumettaz氏は、ビジネスリーダーがAIに関して考慮すべき厄介な問題の1つを認識している。それは、早期に資金を投入した方がいいのか、もっと待ちの戦術を続けるべきか、ということだ。
動くのが早すぎると、1社のパートナーに過剰な資金を投じてしまい、そのパートナーが市場の進展に取り残されるリスクを負うことになる。だが、遅すぎると、競合他社についていけないかもしれない。