日亜化学工業、RPA内製化で年間3万3000時間の人的リソース創出–産業システムの内製文化を転用
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日亜化学工業(徳島県阿南市)は、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)ツール「BizRobo!」で約400体のソフトウェアロボットを内製開発し、年間3万3000時間相当の人的リソースを作り出した。ツールを提供するオープンが3月18日に発表した。
日亜化学工業は、光半導体事業と化学品事業を展開しており、生産現場での自動化設備やシステムの内製化に強みを持つ。そのノウハウをバックオフィス部門にも展開し、RPA導入に至った。複数の国内ベンダー製品を比較検討した結果、初期投資額や長期運用コスト、技術情報の公開、サポート体制などを評価し、BizRobo!を採用した。クラウド型の「BizRobo! DX Cloud」から導入を開始し、利用規模の拡大に伴ってオンプレミス版の「BizRobo! Basic」に移行した。
製造設備の定期点検に関する実績・予定リストを作業担当者にメール配信するロボットは、管理担当者の勤務時間外を含めた日次での自動配信を実現したことで、作業側の時間確保を容易にした。また、製造指図書や掲示物の定期見直し期限を作成者・管理者に通知するロボットは、残日数による絞り込みから宛先の特定、メール送信までの手作業を自動化している。
さらに、製品・製造プロセスの設計時に潜在的リスクを記録する「FMEA(故障モード影響解析)文書」については、使用済みIDとの重複チェックや、重複がない場合のマスターへの転記、重複した場合の修正依頼メール送信を自動化し、実行ボタンを押すだけで一連の処理が完了するようになった。
また、従業員の心理面では、円滑な導入対象選定のために、次の2点を重視している。1つは、人員削減目的という誤解や警戒を生まないよう、ロボット化によって現場で生じた余剰時間を何に使うかはあえて確認しないこと。もう1つは、増員なしでも新たな業務に注力できるメリットを強調すると同時に、誰か1人ではなく部署全員が関係する作業の負担解消を提案しながら活用を推進することである。
BizRobo!の導入から5年が経過し、現在は業務フローの刷新を見据えた応用へと重点が移りつつある。RPAをノーコード開発ツールと社内システムの連携時に用いることができる標準ツールと位置付け、役割を再定義する段階となっているという。実際の取り組みとして、最盛期に約30人いたRPA現場開発者の新規育成をいったん停止し、システム開発本部の数名による実装を原則とした。ただし、現場担当者を開発メンバーとする運用も検討する。そして、専用システムの内製組織がある生産現場にもRPAを提案し、活用範囲を広げDXに貢献する方針だ。