多種多様なAIエージェントをどうすれば管理・活用できるか–ワークデイの取り組みから探る
今回は「多種多様なAIエージェントをどうすれば管理・活用できるか–ワークデイの取り組みから探る」についてご紹介します。
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人事管理のクラウドサービスを提供する米Workdayが、多種多様なAIエージェントを一元管理するソリューションを発表した。しかもマルチベンダー対応が可能ということで、ユーザーニーズを先取りした形だ。AIエージェントの活用も人事管理の対象という同社ならではの発想が興味深かったので、日本法人ワークデイ 最高技術責任者(CTO)の小今井裕氏に、その意義や普及拡大策について聞いた(写真1)。
Workdayがこのほど発表したのは、同社およびサードパーティーが提供するAIエージェントを企業において一元管理できる「Agent System of Record」と呼ぶソリューションだ。多種多様なAIエージェントの活用を進める企業が「デジタルワークフォース」を効果的に統治・管理・最適化するために必要な機能を提供するという。デジタルワークフォースは、AIなどのデジタル技術を活用して業務を遂行する仮想的な労働力を指す。
同社では今回の発表の背景として、「AIエージェントの数と複雑さが増すにつれ、あらゆる規模の企業が、AIエージェントの導入管理やセキュリティおよびコンプライアンスの確保、業務効率の最適化、コスト管理といった新たな課題に直面している。そうした課題に一元的に取り組めなければ、企業は運用の分断やセキュリティリスクの拡大、AI投資に対する価値の測定が困難となるといったリスクを抱えることになる」との問題意識を明らかにした。
同社の説明によると、Agent System of Recordは、AIエージェントの導入から役割と責任の定義、効果の分析、コストの予算化と予測、コンプライアンス対応、継続的な改善の促進までを効率的かつ安全に行えるよう支援する。企業全体で利用されるAIエージェントを管理する単一のシステムを提供することで、ITおよびビジネスリーダーに対し、AIエージェントの業務への効果の透明化と制御を可能にする。同ソリューションを活用することで、企業はAIエージェントの一元管理、ガバナンス、見える化を実現しながら、多種多様なAIエージェントの中からビジネスニーズに対応するものを選び、利用できるとしている。
Workdayの発表に伴って日本法人が開いた記者説明会では、小今井氏がAgent System of Recordのエコシステムについて、図1を示しながら次のように説明した。
「Agent System of Recordのエコシステムとしては、3つのカテゴリーがある。まず上層部の『エージェントエコシステム』は、当社やお客さま、サードパーティーが開発したAIエージェントが対象となる。中層部の『エージェントゲートウェイ』は、AIエージェント間の通信やオーケストレーションのためのインターフェースを提供する。そして下層部が、Agent System of Recordの管理機能を示している」
図1で注目すべきなのは、中層部の「エージェントゲートウェイ」だ。この部分が外部のベンダーを含めて多種多様なAIエージェントとつながり、Agent System of Recordでそれらを一元管理するという構図となっている。