人のつながりをスケールする–クアルトリクス、AIエージェント「Experience Agent」発表

今回は「人のつながりをスケールする–クアルトリクス、AIエージェント「Experience Agent」発表」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Qualtricsは米国時間3月18~20日、本拠地のユタ州ソルトレークシティで年次イベント「Qualtrics X4 2025:The Experience Management Summit」を開催した。19日のメインの基調講演には最高経営責任者(CEO)のZig Serafin氏が登壇し、AIエージェントの「Experience Agent」などを発表した。同社の数年前からの戦略「体験を通じて構築する人間のつながり」――はAIエージェントでも変わらない。

 Qualtricsは、市場の調査研究をしていた親子が中心となり2002年に創業された。学校や企業が、生徒や顧客からフィードバックを収集する調査ツールとして成長。現在では、人々の体験の管理を示す「eXperience Management」(XM)として、XMプラットフォームをベースに、従業員(XM for Employee Experience)、顧客(XM for Customer)、戦略とリサーチ(XM for Strategy and Research)を展開している。

 2016年に入社し、2020年からCEOとして同社を率いるSerafin氏は、会場に集まった6000人の顧客やパートナーを前に「つながり」の重要性を説いた。

 組織は多額の投資をして、顧客関係管理(CRM)やチャットボット、ワークフロー管理などを構築している。Serafin氏は、「これらは最適化や自動化を狙ったもので、『速く』『安く』『効率良く』を実現するに過ぎない」と警告する。

 「AIを実装して効率化を進める競争が始まっているが、より大きな全体像を見失わないようにしなければならない」とSerafin氏。では、つながりを重視しないと、どのようなことになるのか。

 例えば、携帯電話会社が毎月料金を払って何年も使い続けてきた顧客を優良顧客だと認識できず、適切なタイミングでサービスを提供できなければ(=顧客体験が悪ければ)、その顧客は、あっさりと別の携帯電話会社に乗り換える。

 Serafin氏は、この自身の体験が理由で携帯電話会社の変更を決意したことを明かしながら、「顧客に問題が発生してカスタマーセンターに電話をかける前に、携帯電話会社が問題を修正できれば、あるいは問題があることに気がついて支援を提案できれば、もしくは乗り換えを考えていることを察知してクーポンを配布するなどの施策を取ることができれば、顧客は長く待たされたり、イライラしたりせず、ポジティブな顧客体験を得られれば、ニーズを先回りして提案してもらえれば、乗り換えることはないだろう」と話す。

 理想は、人が付きっきりでサポートすることだが、現実的ではない。だが、つながりを拡張性のある形で維持するための技術はそろいつつあるという。それがXMや、新たに発表したExperience Agentだ。

 既報の通り、Experience Agentは「特化型、自律型のデジタルワーカーで、従業員の拡張のようなもの」(Serafin氏)であり、Serafin氏は「インテリジェンスを持ち、企業で発生している数多くの体験に合わせた意思決定とアクションの能力を備える」と説明する。

 AIエージェントは、どのベンダーも口にする“バズワード”だが、Serafin氏は、ほかの多くのベンダーが提供するAIエージェントを「処理や取引にフォーカスしたトランザクション型」と指摘。一方で、QualtricsのExperience Agentは、「人を理解することを目的としたわれわれ独自の能力に根差したもの」と違いを説明した。

 一例が、顧客体験の調査だ。顧客が問題を記入すると、調査中にExperience Agentが起動し、顧客の問題解決を図る。調査事項に記入し終わるのを待つことなく、すぐに対処することができるとする。別の例では、Experience Agentがさまざまな顧客接点での顧客のフィードバックを見て、顧客があるサービスに不満を抱いていることが分かると、ほかの顧客も同じ不満を抱くと予想し、パーソナライズされたサービスを先んじて提供するなどのことが可能になるという。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
未来のオフィスはモジュール型の防音ポッドで快適に
IT関連
2021-07-12 14:27
「アジャイルサムライ」の著者が語る、技術志向の企業が世界をどう見ているのか? そしてソフトウェアテスト自動化を進化させる方法について(後編)。JaSST'22 Tokyo基調講演
CI/CD
2022-04-11 09:07
コアコンセプト・テクノロジー、「SAP S/4HANA Cloud」で業務効率化と成長基盤を強化
IT関連
2024-09-15 05:05
「ノーコード」の認知率は23%、導入メリットの訴求が課題–ヤプリ調査
IT関連
2022-03-27 09:16
NTT Com、千歳市でIOWNと5Gを活用した路線バス自動運転を実証
IT関連
2024-11-21 09:16
ガートナー、ローコード開発ツールの導入で実践すべき7つのベストプラクティス
IT関連
2023-06-15 20:42
NEC、1台のカメラで顔と虹彩の両方を認証できる技術を開発
IT関連
2024-11-24 23:15
経産省のSBOM導入手引き第2版の内容と現実的な対応
IT関連
2024-11-15 01:10
NICT、タチコマをリリース–参加型サイバー攻撃対策プロジェクトを再起動
IT関連
2022-06-02 00:41
OT/IoTシステムへの攻撃はダメージ大–テナブルが説く、リスクと打ち手
IT関連
2023-12-20 12:00
警察庁、サイバー局創設へ 中露北の攻撃警戒、直接捜査も
IT関連
2021-06-26 17:19
Google、iPaaS「Application Integration」正式リリース。Salesforceやkintone、BigQuery、MySQLなど多数のサービスをGUIで接続
Google Cloud
2023-07-25 04:22
日立製作所、製品別のCO2排出量を算出・可視化する自社取り組みを外販化
IT関連
2023-04-22 06:15
金鳥の「いま、いいよね。一方通行の新聞広告」、続きはWebにあった
くらテク
2021-07-07 10:51