AIエージェントで優位性を築くセールスフォース、AI担当幹部に聞く戦略展開
今回は「AIエージェントで優位性を築くセールスフォース、AI担当幹部に聞く戦略展開」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Salesforceは、AIエージェント基盤の「Agentforce」でAIエージェントの戦略を進める。最高経営責任者(CEO)のMarc Benioff氏は、「2025年までに10億件のAIエージェント誕生を目指す」と強気だ。3月5~6日に米国サンフランシスコで開催した開発者向けイベントでは、10億人の「Agentblazer」を目指すという新たな目標も掲げた。イベントの基調講演に登壇したSalesforce AI担当エグゼクティブバイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャのAdam Evans氏に話を聞いた。
–イベントで「Agentforce 2dx」を発表しました。Agentforceの登場から6カ月で2回目のアップデートです。急ペースで進めている背景を教えてください。
技術の根本的なシフトが起きています。AIは、インターネットやモバイルなどに匹敵するもので、われわれは、Agentforceを通じて顧客が最新のAIテクノロジーを実装できるのを支援します。そこで、われわれも技術革新のピッチを速めています。
–2025年までにAgentforceを通じて10億件のAIエージェントを開発する目標を発表しました。進ちょくはどうですか。また、AIエージェントの導入は、どの業種や業務で進んでいますか。
Agentforceの需要は堅調で、受け入れも進んでいます。1四半期で5000件もの契約がありました。あらゆる業界で進んでいます。これまでのところは顧客サービスが多い状況ですが、ロングテールでさまざまなAIエージェントが登場しています。
われわれは、AIの実装ハードルが高いヘルスケアや、金融など規制の厳しい業界がチャレンジになると考えていました。われわれは、適切なガードレール(セキュリティやコンプライアンスなどに沿って適正利用を担保する機能の通称)内でデータを使用するなどの機能を持つ「Trust Layer」を組み込んでおり、検索拡張生成(RAG)を利用することで、正確かつ信頼性の高い解決を実現しています。PfizerやCaixaBank(スペインの銀行)などが既にAgentforceを利用しています。
米国では、中小企業向け会計サービス大手の1-800 Accountantが、確定申告シーズンの繁忙期に向けて、税に関する質問の回答を自動化するエージェントを作成し、その解決率は50%だと聞いています。 われわれ自身もヘルプページで利用しており、解決率は83%に達しています。多くの場合ですぐに30%、40%の解決率を実現し、AIエージェントの適用分野を拡大させているのです。
Agentforce 2dxは、バックグラウンドで動作するようになり、長時間の推論をしたり、非同期的な性質を持つプロアクティブなエージェントを構築したりできるようになりました。
–顧客などからの質問に対するAIエージェントでの解決率を高めるために、Salesforceはどのような支援をしますか。
解決率の改善に向けて、さまざまなアプローチがあります。重要なことは、「解決しようとしている問題は何か?」にフォーカスすることです。
今回のイベントでは、Agentforceの新機能として、「Interaction Explorer」を発表しました。Agentforceの実装を観測するオブザーバビリティ(可観測性)のような機能で、適切に機能しているのか、顧客との対話で何を話しているのかなどを確認できます。投資対効果(ROI)を生み出しているのか、価値を生んでいるのかなどを理解できます。
解決率の向上でもう一つできることは、“できないこと”の割合を可視化することです。AIエージェントでは対応できない(ユースケースの)ロングテールを見て、どこに投資すべきかを考えるのに役立ちます。
これは、ビジネスの問題に該当します。Agentforceにどこまでさせるのか、どこに展開するのか、解決できない部分に時間を費やすべきか、ほかの部分を最適化するAIエージェントの構築に力を注ぐべきかなどを決断することになります。