第4回:データクラウドの要件整理と導入後の運用戦略を考える
今回は「第4回:データクラウドの要件整理と導入後の運用戦略を考える」についてご紹介します。
関連ワード (CIO・情シス部長が知っておきたい「データクラウド」の基本と構造、ビッグデータ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
前回までは、データドリブンな意思決定を実現するためのデータマネジメント基盤の具体的な方法論と導入アプローチについて触れ、このためには単にツールやプラットフォームを導入するだけではなく、明確なデータ戦略の立案、組織体制の構築・文化の醸成という3本柱が不可欠である点について紹介しました。
本記事では、データクラウド導入検討のプロセスと意思決定をテーマに、検討ステップや要件整理、導入後の運用イメージについて紹介します。
データは既にビジネスの中枢となっている一方、「データはあるが活用ができていない」企業が多いのも事実です。データクラウド導入を検討する上で、最も重要なことは「解決したいビジネス課題」を明確化・言語化することです。
昨今は生成AIの出現などでAIが大きな注目を集めていますが、これらは「データ活用の手段の1つ」であり、まずは「データ戦略」が重要です。必要なデータが利用可能にあることが、生成AIなどの利用には不可欠です。
現状のビジネス課題を元に、「データ戦略」を構成し、「あるべき姿・ありたい姿」を描くことが重要になります。これが以降のあらゆるタスクを遂行する上での目標、判断基準となります。
次のステップはビジネス課題を掘り下げ、その要因と現状とのギャップを明確にし、言語化することです。ここでは、現行の基盤やプロセスに依存した要因に加え、前回の記事で紹介したデータカルチャーの浸透不足など、さまざまな要因が挙げられます。
基盤に関連する要因の例としては次のようなものがあります。
これらは後述する、「基盤を選定するための技術要件」に詳細化されていきます。
要因が明確になれば、次は解決策としてのアクションプランを立案することです。アクションプランの中には「文化の醸成」「人材育成」といったソフト面の改善も含まれますが、まずは「基盤」に関連するポイントを挙げてみます。
アクション(課題解決手段)の1つとして基盤導入や刷新(移行)を選択される場合も多いと思いますが、その際には「要因の明確化」で作成した「基盤を選定するための技術要件」と「優先順位」が重要になります。
例えば、「データがサイロ化されており、必要なデータに容易にアクセスできない」ことが優先して解決したい課題とすると、
といったポイントを「要件」として整理していきます。
一方、「文化の醸成」の側面については、データ提供元からすると、データがビジネスでどのように活用されているかが見えづらいことが要因の1つになっているケースもあります。データを用いた施策の実事例(ユースケース)を元に、各データがどのような価値を持って活用されているかまで掘り下げて共有することも重要です。