バナジウムイオン電池開発の韓国Standard Energyがソフトバンクから約9.7億円調達

今回は「バナジウムイオン電池開発の韓国Standard Energyがソフトバンクから約9.7億円調達」についてご紹介します。

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本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。

バナジウムイオン電池を開発しているStandard Energyは、SoftBank Ventures Asia（ソフトバンク ・ベンチャー・アジア、SBVA）の出資により890万ドル（約9億7000万円）のシリーズCを調達したと発表した。韓国を拠点とする同社は、リチウムイオン電池と比較して発火の危険性が少ないことや、バナジウムの調達が容易であることなどを利点として挙げている。特に後者は、電気自動車メーカーがリチウムイオン電池の不足に直面していることから、重要なセールスポイントとなる。

しかし、Standard EnergyのCEOであるBu Gi Kim（キム・ブギ）氏は「リチウムイオン電池の代替ではなく、お互いに補完し合う関係にある」と述べている。バナジウムイオン電池は、高エネルギー、高性能、安全性を備えているが、リチウムイオン電池ほどコンパクトではない。

リチウムイオン電池はEVやスマートフォンなどのコンシューマデバイスのような、移動が必要なハードウエアには今後も使用されるだろうが、バナジウムイオン電池は、風力・太陽光発電所やEVの超高速充電ステーションなど「定置型」の顧客に適している（キム氏によると、Standard Energyは近々、ソウルの超高速充電ステーションに同社の電池を出荷する予定だという）。

韓国科学技術院（Korea Advanced Institute of Science and Technology、KAIST）とマサチューセッツ工科大学（MIT）の研究者たちによって2013年に設立されたStandard Energyは、これまでに総額2250万ドル（約24億5000万円）を調達している。同社の主な潜在顧客の1つはエネルギー貯蔵システム（ESS）分野で、同社によるとESS市場は、今後5年間で現在の80億ドル（約8714億円）から350億ドル（約3兆8123億円）への成長が見込まれているという。

「リチウムイオンの不安定な電池性能のために、多くの再生可能エネルギープロジェクトが各地でスローダウン、あるいは中断されています。VIB（バナジウムイオン電池）は、リチウムイオンのようにコンパクトにすることはできません。しかし、再生可能エネルギー発電所を含むESSプロジェクトやソリューションでは、当社の製品をシステムに組み込むスペースが十分にあります」とキム氏はいう。

Standard Energyは実験室、認証された電池性能試験場、実際の運用を含めて、すでに合計100万時間以上の電池試験を行っている。キム氏は、この性能データによりバナジウムイオン電池の採用を検討する顧客を説得できる、と同社は確信していると述べた。

SoftBank Ventures AsiaのシニアパートナーであるDaniel Kang（ダニエル・カン）氏は、プレスリリースの中でこう述べた。「既存のESS市場は、急速に拡大する需要と、製品の安全性や効率性の問題により、インバランス状態にありました。Standard Energyは、革新的な素材と大規模な製造能力をともなう設計技術により、世界のESS市場に新たな基準をもたらすと期待されています」。

画像クレジット：Standard Energy

【原文】

Standard Energy, a vanadium ion battery developer, announced today it has raised a $8.9 million Series C from SoftBank Ventures Asia. The South Korea-based company says its batteries’ advantages over lithium ion include less risk of ignition and the ease of sourcing vanadium. The latter is an important selling point, as electric vehicle makers face a potential shortage of lithium ion batteries.

Instead of serving as a replacement for lithium ion batteries, however, Standard Energy chief executive officer Bu Gi Kim said they complement each other. Vanadium ion batteries have high energy, performance and safety, but they are not as compact as lithium ion batteries.

Lithium ion batteries will continue to be used in hardware that needs to be mobile, such as electric vehicles or consumer devices like smartphones, but vanadium ion batteries are suited to “stationary” customers, like wind and solar power plants or ultra-fast charging stations for electric vehicles (Kim said Standard Energy is scheduled to ship its batteries to an ultra-fast charging station in Seoul soon).

Founded in 2013 by researchers from the Korea Advanced Institute of Science and Technology (KAIST) and the Massachusetts Institute of Technology (MIT), Standard Energy has raised a total of $22.5 million. One of its main potential customers is the energy storage systems (ESS) sector, which the company says is expected to grow from $8 billion to $35 billion in the next five years.

“A large number of renewable energy projects have slowed or even stopped in many places due to the unstable battery performance of lithium ion. VIB cannot be as compact as lithium ion. However, ESS projects or solutions including renewable energy plants provide enough space for our products to be integrated into their systems,” said Kim.

Standard Energy has already performed a total of over one million battery testing hours, including in a lab, at a certified battery performance test site and in actual operations. Kim said the company is confident its performance data will convince customers to adopt vanadium ion batteries.

In a press statement, SoftBank Ventures Asia senior partner Daniel Kang said, “The existing ESS market was in a state of imbalance due to the rapidly growing demand, and safety and efficiency issues of products. Standard Energy is expected to create new standards for the global ESS market through its innovative material and design technology with massive manufacturing capabilities.”

（文：Catherine Shu、翻訳：Aya Nakazato）

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