銀行口座のマイクロサービス化を目指すフランスのフィンテックNumeral
今回は「銀行口座のマイクロサービス化を目指すフランスのフィンテックNumeral」についてご紹介します。
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本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
企業の銀行口座のアップグレードを目指すフランスのスタートアップ、Numeral(ニューメラル)を紹介する。クライアントが最新のアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を使ってNumeralとデータをやり取りする一方で、このスタートアップは銀行のサーバーに直接接続して決済ファイルをアップロードし、時代遅れの情報システムとデータをやり取りする。その複雑なレイヤーを抽象化することで、銀行口座をアーキテクチャの中の別のマイクロサービスのように扱うことができる。
Numeralは1月にBalderton Capitalがリードする1300万ユーロ(約17億円)の資金調達ラウンドを発表した。Alexandre Prot(アレクサンドル・プロット)氏、Tom Blomfield(トム・ブロムフィールド)氏、Guillaume Princenn(ギヨーム・プリンセン)氏、Kima Venturesも参加した。Numeralのチームはもともと、eFoundersが創設したスタートアップスタジオ「Logic Founders」内でプロジェクトに取り組み始めた。
Numeralを説明する最も良い方法は、同社が何でないかを説明することだ。Numeralは、消費者向けアプリのためのオープン・バンキング・アグリゲーターではない。Tink、TrueLayer、Yapilyとは競合しない。
また「banking-as-a-service(バンキング・アズ・ア・サービス)のプロバイダーでもない。同社は銀行口座を提供せず、IBAN(国際銀行口座番号)を生成せず、カードも発行しない。
「我々は、テック企業のための決済自動化プラットフォームです」と共同創業者でCEOのÉdouard Mandon(エドゥアール・マンドン)氏は話す。「テック企業が銀行口座に接続し、決済業務を自動化できるようにします」。
リテールバンクはAPIを提供し始めたばかりだが、コーポレートバンクは何年も前から銀行プラットフォームをオープンにしている。しかし、ドキュメント・ページがあるREST APIだと思わないで欲しい。多くの銀行は、ユーザーがSFTPサーバーにテキストファイルをアップロードすることを想定している。そのファイルは、非常に特殊な方法でフォーマットされることになっている。
Numeralは、銀行送金に大きく依存しているフィンテック、インシュアテック、不動産会社などに製品を販売している。例えば、同社の最初の顧客はSpendeskとSwileだ。Numeralは、同社の最初の顧客となったSpendeskとSwileのために統合機能を作成し、2社がAPIを使って銀行口座とデータをやり取りできるようにした。
2022年末までに、Numeralは12の銀行に対しサービスを提供する予定だ。「今のところ、私たちの顧客の半分は、フランスの銀行を通じて私たちのサービスを発見しています。その銀行はNumeralのことを、彼らが提供していないAPIだと説明しています」とマンドン氏は話す。
統合が完了すると、Numeralの顧客は決済機能やアプリの機能を統合できる。同社は、技術者でないスタッフ向けにウェブアプリも提供している。この方法では、銀行が提供するレガシーなウェブアプリを使わずに、決済と口座を照合できる。
Numeralでは、APIの上にいくつかの機能を追加できる。例えば、承認ワークフローや通知システムなどの設定を想像して欲しい。
このスタートアップは、オーケストレーション機能についても考えている。顧客が複数の銀行口座を持っている場合、いくつかのルールに従って、適切な口座に決済を回すことができる。また、Numeralは、複数の口座の現金残高を積極的に管理する目的でも利用可能だ。
複数の国に口座を持つグローバルな顧客には、特に有効だろう。マンドン氏は、Numeralを立ち上げる前にiBanFirstに勤務していたため、複数の国にまたがる複数の提携銀行を持つことについては、よく理解している。
今回の資金調達で、Numeralは30〜40人のチームに成長する予定だ。フランスの銀行との新たな提携に加え、ドイツ、英国、スペイン、イタリアなど、他のヨーロッパ諸国にもサービスと顧客基盤を拡大する。
画像クレジット:Luke Shaffer / Unsplash
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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi)