テラスカイ、新中計で売上高700億円に道筋–BeeXも初の決算説明

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 テラスカイとグループ会社のBeeXは4月15日、2022年2月期の通期業績説明会を開催した。テラスカイは新たな中期経営計画も発表。BeeXは2月の東京証券取引所への上場後初の決算説明を行った。

 14日に開示したテラスカイの連結業績は、売上高が前年度同期比12.9%増の125億7800万円、営業利益が15.5%減の6億5800万円の増収減益だった。期初計画に対しては売上高が0.5%の未達だったものの、営業利益は22.7%上回った。減益は、2021年2月期のサーバーワークス株式の売却益などに伴う14億700万円の納税の支払いが発生したことや、グループ企業の体制整備や製品開発などの投資として31億600万円を充当したことなどによるものとしている。

 セグメント別では、データ連携ツールやグループウェアなどのsoftware as s Service(SaaS)の製品事業の売上高(連結決算上はグループ内製品売上を減額処理している)が0.7%増の15億8000万円、営業利益が2億6100万円の赤字、システム開発などのソリューション事業の売上高が16.5%増の111億5900万円、営業利益が11.4%増の17億200万円だった。製品事業の減益は、大規模導入案件に伴う開発費用の発生に伴う一過性のものという。

 クラウドのビジネスは、創業時から中心のセールスフォース関連が構成比で前期と同じく64%だったが、残る36%について前期ではAmazon Web Services(AWS)のみだったが、今期はGoogle Cloudを加えた「IaaS領域」(Infrastructure as a Service)に分類。構成比は変わらないが、「Google Cloudが加わり規模としては拡大。AWSが中心ではある」(代表取締役社長の佐藤秀哉氏)とした。

 製品のビジネスについて佐藤氏は、「まだまだ投資フェーズ」と位置付けるが、セールスフォース向けのグループウェア/勤怠・経費管理の「mitoco」の売上構成比が4%増の20%になるなど順調な成長を見せているとアピール。引き続き製品開発投資を行う。

 同時に発表した2025年2月期を目標年次とする中期経営計画では、2030年にグループ売上高700億円の達成を掲げ、この目標達成に向けて(1)人材採用と認知向上への広告宣伝、(2)クラウドサービス周辺ビジネスの拡大、(3)海外事業展開――の3つを推進する。

 (1)では、人材派遣を手がけるテラスカイ・テクノロジーズのエンジニア人材の採用強化と製品ブランドの認知向上が目的で、テレビとウェブで広告展開する。特に人材不足は大きな課題といい、顧客の要請に応じられないケースが発生しているという。「テラスカイの名はクラウド界隈で知られてもIT業界全体ではまだまだ」と佐藤氏は述べる。

 (2)では製品事業の収益向上へセールスフォースを中心にmitocoなど周辺機能を提供するSaaSを強化する。5月にセールスフォースの画面カスタマイズツール「SkyVisualEditor」とSlackを統合する新機能をリリースし、セールスフォースの顧客画面内にSlackでやりとりしたメッセージを表示できるようにするなど利便性向上を訴求する。

 (3)では、2019年に設立したタイの現地法人「Terrasky Thailand」の本格的な営業活動を6月に再開する。設立当初は、経済発展するタイ市場でのセールスフォース関連ビジネスを期待したものの、直後に発生したコロナ禍で事業が停滞。これまで日本でエンジニアの育成を進めてきたが、世界各国が入国規制などの緩和を進め始めたため、現地での事業を本格始動することにしている。

 佐藤氏は、「2030年においてもクラウドインテグレーターのリーディング企業であり続けたいと考えている。計画の後半は売上高を毎年30%ペースで成長させる高い目標だが、初年はそのジャンプに備えてしっかりと投資を行うため一時的に利益率が下がるが、以降はこれまで水準に戻し、10%台に高める。創業から今までよりも成長ペースはなだらかになるが、この規模(売上高700億円)をしっかり達成する」と表明した。

 テラスカイの佐藤氏に続いてBeeX 代表取締役の広木太氏が、2022年2月期の通期業績を説明した。同社は2月24日に東京証券取引所マザーズ市場(現在はグロース)へ新規上場し、今回が初めての業績説明となった。

 テラスカイと同じく14日に開示したBeeXの通期業績は、売上高が7.3%増の43億5300万円、営業利益が17.2%減の2億7400万円の増収減益だった。減益要因は2021年2月期の大型のSAPシステムクラウド移行プロジェクトによる大幅な増益の反動で、広木氏は2016年の設立からの成長ペースが続いているとした。

 同社の主な事業は、SAPシステムなどのクラウドインテグレーションとクラウドサービスのライセンス販売、マネージドサービス(MSP)の3つで、クラウドサービスのライセンス販売とMSPを合わせたストック型ビジネスモデルの売り上げが右肩上がりで成長を続ける。クラウドインテグレーションの案件数も堅調に増えているとした。

 2023年2月期は、売上高で20.4%増の52億4300万円、営業利益で2.7%増の2億8100万円を予想する。売上高は3つの主要事業全てで増収を期待するが、営業利益は人材の採用や育成に関する投資のために増加率が低くなる見込みだという。

 事業戦略は3月9日に発表済みで、企業の統合基幹業務システム(ERP)のクラウド化需要とデジタルトランスフォーメーション(DX)関連でのデータプラットフォーム構築需要の獲得とストック型ビジネスの拡大、中小企業や地方企業に対応するシステムインテグレーターや販売会社などの支援サービスに注力していく。

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