アバナードら、小売現場のスマート化に着手–エッジデバイス活用でデータ量削減

今回は「アバナードら、小売現場のスマート化に着手–エッジデバイス活用でデータ量削減」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 アバナードは4月21日、国内で小売現場のスマート化を推進すると発表し、説明会を開催した。この取り組みでは、アバナードグローバルの「スマートストアソリューション」の知見を生かすとともに、ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)のエッジデバイス「IMX500」を活用する。

 コロナ禍に伴う電子商取引(EC)の普及やサプライチェーンの混乱、不確実な経済状況が見られる中、小売企業はこれまでよりも素早く変化に対応することが求められている。加えて、特に国内市場を主とする小売業界では、少子高齢化による個人消費の減少や人件費の高騰などのリスクが予想される。そのため、いかに少ないスタッフで付加価値を生むかということが求められるという。

 アバナードTechnology Leadership ディレクターの関野学氏は、人工知能(AI)を搭載したカメラを利用したスマートストアソリューションを4つ紹介した。同社は国内提供に当たり、スマートストアソリューションを日本市場に適したものに絞り、来店客の興味の可視化や動線分析による業務の効率化などを強化したという。

 1つ目のソリューションは、来店客の興味を分析・可視化し、売り上げの増加を図る。陳列されている商品の近くにAIカメラを設置し、来店客の行動データを測定するとともに、年齢層や性別も予測する。行動データには、顔の向きや立ち止まっている時間、商品との距離などがある。これらのデータを用いて来店客の属性ごとに商品への興味の度合いを数値化し、商品がターゲット層に興味を持たれているかを可視化する。

 2つ目は、店内における来店客や従業員の導線を可視化し、業務の効率化を支援する。導線データを基に来店客が混雑する時間やエリアを把握することで、特設コーナーの効果を測定したり、人通りの多いエリアにデジタルサイネージを設置したりできる。加えて、データはリアルタイムに収集されるため、来店客がいるエリアへ接客しに行くことや、混雑しているレジの担当者を手助けすることも可能となる。

 3つ目は、AIカメラが棚に陳列されている商品の状態を監視し、欠品を検知して従業員に通知する。販売機会の損失防止に加え、従来は従業員が巡回して行っていた作業をAIカメラに置き換えることで、従業員は接客や売り場づくりといったコア業務に注力できる。

 4つ目は、AIカメラや販売時点情報管理(POS)のデータ、気象情報などの外部情報を組み合わせて分析し、商品の売れ行きを予測する。これにより、店舗側は入荷する商品数を最適化でき、廃棄ロスの削減や従業員の負担軽減が期待される。

 SSSが提供するIMX500は、イメージセンサーにAIによる処理機能を搭載したエッジデバイス。スマートストアリューションとIMX500を組み合わせることで、カメラ側で映像データからAIによる分析処理を行い、その結果をメタデータとしてクラウドへ転送する。これにより、データ量の削減やプライバシーへの配慮につながる。加えて、SSSのエッジAIセンシングプラットフォーム「AITRIOS」を活用することで、エッジとクラウドを駆使したシステム開発を効率的に行えるという。

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