「デジタル産業の業界団体」を掲げたJEITA新会長の決意とは
今回は「「デジタル産業の業界団体」を掲げたJEITA新会長の決意とは」についてご紹介します。
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本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、電子情報技術産業協会 会長の時田隆仁氏と、Trellix 常務執行役 セールスエンジニアリング本部シニアディレクターの櫻井秀光氏の発言を紹介する。
電子情報技術産業協会(以下、JEITA)の新会長に6月1日付けで就任した時田隆仁氏(富士通 代表取締役社長)は先頃、記者会見を開いた。冒頭の発言はその会見で、JEITAの活動について決意を示したものである。
時田氏はまず、次のように切り出した。
「新型コロナウイルスの登場により、人々の暮らしや働き方など、社会全体が大きな変革を迫られてから2年余りの月日が経った。在宅勤務をはじめとするデジタルのフル活用はまさに『ニューノーマル』となって社会に定着した一方、これまでにないほどに社会全体が思い切ってデジタルをフル活用したからこそ、リモートでは代替できない対面の価値を再認識することもできた。社会は日々変化していくが、社会で生きる組織はこうした変化に適応し、自らをも変化させていくことが重要であることは言うまでもない」
JEITAは2016年より、「業種・業界を超えて社会課題に向き合う、課題解決型の業界団体」への変革に取り組んできた。定款を変更して正会員の対象を IT・エレクトロニクス企業から全業種へと拡大し、ベンチャー会員特例制度も新設するなど、業種を超えた企業が集う新しい業界団体の形を模索してきた。
時田氏はJEITAにおける2022年度の重点事業の1つに掲げた「デジタル人材の育成」について、次のように述べた。
「あらゆる分野においてデジタル化が急速に進展する中、デジタルトランスフォーメーション(DX)を担う次世代のデジタル人材を育てていくことは、年々重要性を増している。政府が推進する『デジタル田園都市』を実現するためには、デジタル技術を提供する企業のみならず、デジタル技術を活用する企業にもデジタルの教養や知見を持った人材が不可欠。これからふるさとのインフラを担う人、教育を担う人、医療や福祉を担う人など、さまざまなプロフェッショナル分野を担う方がデジタルの素養や思考を持つことが大切で、それによって、社会のデジタル化はこれからより進展していく。意欲ある人がデジタルの素養や知識を習得することができるよう、会員企業と協力して、多様なコンテンツや機会を提供していきたい」(写真1)
そして、JEITAの今後の活動について、こう結んだ。
「JEITA はこれからも積極果敢に挑戦を続けながら、産業と産業のつなぎ役として幅広い産業の会員企業と連携し、政府をはじめとする関係各所とも密に連携しながら、課題解決や競争力強化、新たな市場創出に取り組むことで、超スマート社会『Society 5.0』の実現とともに、日本経済のさらなる活性化や SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献していく。社会のDXを加速させていくために、電子部品やデバイス、電子機器やITソリューションを中核に、他の製造業やサービス業なども集う『デジタル産業の業界団体』として期待に応え、責務を果たしていきたい」
JEITAにとってデジタルはまさしく“一丁目一番地”だろう。とりわけ、時田氏が決意のほどを示したデジタル人材の育成に大いに期待したい。