鹿島、約1万人が利用するERPを刷新–システム研修もリモートで実施
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鹿島建設(鹿島)は、ワークスアプリケーションズ・フロンティア(WAPF)の統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「HUE SCMシリーズ」を導入し、運用を開始した。WAPFの親会社であるワークスアプリケーションズが6月13日に発表した。
鹿島は、建設業界特有の複雑な会計業務に対応するため、自社開発した会計システムに随時機能を追加しながら運用してきた。だが、20年以上にわたる機能追加によりシステムが複雑化し、メンテナンスや機能拡充を続けることに限界が見られたという。そこで同社はシステムの刷新を検討し、業界特有の複雑な業務要件を網羅。パッケージの拡張性が高い点を評価して、HUE SCMシリーズを採用した。
同社は、ワークスアプリケーションズグループが提供する経理/財務会計システム「HUE ACシリーズ」も同時に導入している。両シリーズを併用することで、一つのパッケージで各工事の損益管理から全社決算まで、幅広い会計業務に対応できる。またクラウド型のため、社内外を問わず業務が行えるようになり、テレワークの推進にもつながっているという。
HUEシリーズは、書類の電子化による業務効率化とペーパーレス化を可能にする。鹿島では、会計伝票のほか領収書や請求書を合わせて年間約100万枚の書類を回覧・保管していたが、ペーパーレス化によって保管スペースやコストが削減された。情報が電子化された結果、検索機能も向上したという。
また、従来は新システムを導入する際、担当者が複数の拠点事業所に赴いて社内教育や説明会を実施していたが、今回の導入では利用者への操作教育などをウェブ会議ツールを用いて全てオンラインで行った。これにより、教育期間の短縮とコスト削減につながったという。約1万人に上る利用者からの問い合わせ対応についても、ウェブ会議ツールなどを使用した運用フローを確立し、迅速な対応を可能にした。
鹿島は「鹿島DX」と題し、中核事業を強化する「建設DX」、新たな価値を創出する「事業DX」、経営基盤を整備する「業務DX」に取り組んでいる。同社は業務DXにおいて「デジタルワークによるグループ全体の生産性向上」を目指しており、WAPFはその実現に向けてHUE SCMシリーズの利便性向上に取り組むとしている。同シリーズは、2023年10月から導入される電子インボイス制度にも対応する予定だという。