パナソニックコネクトの樋口氏らが企業改革を振り返り–苦難や苦言も
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パナソニックコネクトは7月4日、事業戦略説明会を開催した。傘下のBlue Yonderの新ソリューションとして、小売店での電子棚札を活用した「ライブプライシング」と、倉庫や配送センターにおけるトラックの管理を行う「ヤードマネジメント」の2つを2022年度中にソリューション化し、Blue Yonderの標準機能として組み込む考えを明らかにした。
同社は、2021年度に北米の顧客20社を対象に、時間をかけたヒアリングを実施し、Blue Yonderの機能とパナソニックグループが持つセンシング技術などとの組み合わせで実現できる60個のユースケースをリストアップしたという。その中から2つのユースケースに着目して、ソリューション化する計画を明らかにしていた。説明会では、その内容について言及した。
「ライブプライシング」は、電子棚札を利用し需要予測などに応じてダイナミックに価格表示を変更することができるソリューション。既に概念実証(PoC)を開始しているという。一方の「ヤードマネジメント」は、広大な敷地面積を持つ倉庫や配送センターでのトラック管理ソリューション。トラックのナンバーを画像認識で読み取り、どのスロットに到着し、荷下ろしや荷積みを行っているか自動的に管理する。最短のルートと時間でトラック停車場所に荷物を移動させ荷積みを行うなどが実現されるという。
これらのソリューションは、5月に米国フロリダ州で開催したBlue Yonderの年次イベント「ICON 2022」で参考展示した。パナソニックコネクト 執行役員常務 最高技術責任者(CTO)の榊原彰氏は、「どちらのソリューションも問い合わせが多く、北米では特にヤードマネジメントへの関心が高い。ライブプライシングは、棚札の価格を変えるだけでなくデータからの棚割りの確認、欠品チェックなど商品棚におけるソリューションの足場を築ける期待もある。これらは2022年度中にBlue Yonderの標準機能に組み込み、Blue Yonderの事業拡大に向けた成長エンジンになる」と説明した。
さらに、今後のBlue Yonderにおける投資戦略についても説明。榊原氏は、特定のネットワークに固定せず柔軟性を持ったネットワーク構築を可能にするためのサプライチェーン管理(SCM)ネットワーク分野、顧客に商品を届ける領域までを含めたラストマイル技術を買収・合併で獲得し、Blue Yonderに組み込むとし、「これらはBlue Yonderのポートフォリオで弱かった部分」とした。SCMソフトウェアベンダーの多くがポイントソリューションを提供しているのに対し、Blue YonderはSCMの幅広い範囲をカバーしているが、「グローバルサプライチェーンは日々変化しポートフォリオも変化する必要があり、投資領域も柔軟に変えていく」などとした。
パナソニックグループは、4月から持株会社制となり、7つの事業会社の一つにパナソニックコネクトを設立。自主責任経営を推進している。パナソニックコネクトは、Blue Yonderを中核としたソフトウェアベースの「成長事業」と、PCなどハードウェアベースの「コア事業」の2軸を柱に据えた事業展開で、2024年度に売上高1兆1700億円、成長事業でリカーリング比率50%、EBITDAで1500億円、EBITDA率で13%を中期計画として掲げている。