オラクル、Cohereと連携で生成AIサービス開発へ–OCIでの提供図る

今回は「オラクル、Cohereと連携で生成AIサービス開発へ–OCIでの提供図る」についてご紹介します。

関連ワード (ビッグデータ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Oracleは米国時間6月13日、全世界の組織向けに強力な生成AIサービスを開発する計画を発表した。エンタープライズ向けAIプラットフォームを提供するCohereと連携することで、組織のエンドツーエンドのビジネスプロセスを自動化し、意思決定を改善して顧客体験(CX)を向上させる生成AIサービスを提供する予定だという。

 同サービスは「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)上で構築され、Oracle独自のSupercluster機能を活用する。アプリケーションからインフラストラクチャーにわたって、業界最高レベルのセキュリティ・パフォーマンス・価値の提供を目指している。

 OCI エグゼクティブ・バイスプレジデントのClay Magouyrk(クレイ・マグワイク)氏は、次のようにコメントしている。

 「高度なセキュリティ、クラス最高のデータ管理、あらゆるビジネス課題に対応するクラウドアプリケーションの包括的なポートフォリオを備えた、生成AIのための完全なエンドツーエンドのプラットフォームを提供できるのは当社だけである。Cohereとのパートナーシップにより、お客さまは生成AIを簡単にビジネスへ組み込むことが可能となる。Cohereの基盤モデルを使用することで、自社のデータを安全に組み込んで特定のモデルを訓練するとともに、OCIを通してクラス最高のAIインフラストラクチャーに導入し、アプリケーションにおいてビジネスへの効果をすぐに実感できる」

 今回のパートナーシップにより、Cohereは生成AIモデルのトレーニング・構築・デプロイをOCI上で行う。OCIは、1クラスター当たり1万6000以上のH100GPUというスケールで、最高性能かつ最低コストのGPUクラスター技術を提供し、低いレイテンシー(遅延)のほか、クラウド上で最高帯域のリモート・ダイレクト・メモリー・アクセス(RDMA)ネットワークを備えているため、AIワークロードの実行に適しているという。これにより、大規模言語モデル(LLM)トレーニングの高速化とコスト削減を同時に実現できるとしている。

 Cohere プレジデント 兼 最高執行責任者(COO)のMartin Kon(マーティン・コン)氏は「Oracleと当社は、データセキュリティ、モデルのカスタマイズ、企業のビジネス価値創造の支援に注力している。両社は、データの安全性とプライバシーを確保しながら、世界中の企業がAIへの取り組みを加速させ、価値を高め、ビジネスの成功を最大化する新しいレベルの自動化を実現できるよう支援する」と述べる。

 Cohereのモデルは、業界で最も完全だというクラウドアプリケーションのポートフォリオに直接統合される予定。Oracleは「Oracle Fusion Cloud Applications」や「Oracle NetSuite」、業界特化型アプリケーションなどのビジネスアプリケーションにCohereの言語モデルを組み込む。これにより、差し迫るビジネス課題を解決するために、顧客が生成AIを迅速かつ安全に導入することを可能にする。OracleはCohereとの連携により、次のようなことが可能になるとしている。

 Oracleの生成AIサービスは、顧客がデータを完全にコントロールし、所有権を持つことができる。他の生成AIサービスとは異なり、Oracleの生成AIサービスは顧客データを混在させないため、ビジネスの競争優位性に影響を与えることがない。データの出所や系統にアクセスするツールも提供される予定だという。

 Cohereの最先端の基盤LLMを活用し、Oracle独自の業界知識やデータインサイトに基づいてカスタマイズや改良が可能。顧客は独自のデータを用いてこれらのモデルを改良し、特定のビジネスユースケースの精度を向上させることができる。

 統合基幹業務システム(ERP)、人材管理(HCM)、サプライチェーン管理(SCM)、CXといったクラウドアプリケーションのポートフォリオに生成AIを組み込むことで、顧客は既存のビジネスプロセスで最新のイノベーションを活用できるようになる。

 Oracleは、ヘルスケアとパブリックセーフティー向けに新しいモデルを展開し、業界固有のアプリケーション全体に生成AIを組み込むことを予定している。これらのAIサービスは、ナレッジワーカーの生産性と効率を高めると同時に、アイデア出しや創造的・付加価値の高い業務に時間を割くことが可能となり、従業員体験(EX)全体を向上させるとしている。さらに同社は「Oracle Database」や「MySQL HeatWave」に機械学習(ML)機能を導入したのと同様に、データベースポートフォリオに生成AI機能を組み込む予定だという。

 顧客はOCI上で生成AIサービスを利用し、パブリッククラウドのあらゆる利点を活用することで、ソリューションの拡張、モデルのカスタマイズ、プライベートモデルのエンドポイント作成が可能となる。加えてOracleは、顧客企業のデータセンターに生成AIサービスを提供し、オンプレミスのデータやアプリケーションにも生成機能を組み合わせるという。

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