NEC、橋の崩落につながる損傷を発見する新技術–衛星SARとAI活用

今回は「NEC、橋の崩落につながる損傷を発見する新技術–衛星SARとAI活用」についてご紹介します。

関連ワード (ビッグデータ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 NECは、橋の崩落につながる重大損傷を発見する技術を開発した。この技術により、近接での目視点検が困難な河川や海、谷などに架かる橋の点検業務の効率化が可能となる。また定期点検の期間外において、橋の異常なたわみの有無を継続的に遠隔から確認し、異常なたわみがある橋を優先的に点検できる。

 同技術は、衛星SARを用いたリモートセンシングと人工知能(AI)技術を組み合わせることで、国土交通省が定める橋の点検項目のうち、従来発見が困難だった「異常なたわみ」をミリ単位の精度で検知する。

 衛星を利用したリモートセンシングで得られた変位データと橋の構造や気温の変化を独自のAIに学習させることで、橋の変位予測モデルを作成し、そのモデルを用いて点検期間にリモートセンシングで得られる変位データを分析する。これにより、重大事故に繋がる可能性のある垂れ下がりなどの異常なたわみを発見できるという。

 2021年10月3日に和歌山県 紀の川の六十谷水管橋が崩落したことを受けて、NECは六十谷水管橋を撮影した崩落前2年間の衛星SAR画像を入手し、今回開発した技術を使って崩落前の六十谷水管橋の変位を過去にさかのぼり、評価した。その結果、崩落個所において崩落1年前から他径間と比較して1.5倍程度の大きさの崩落の前兆現象と考えられる変位が継続して観測されると分かった。

 橋は構造や温度などによる影響を受けて変化するため、従来は異常性を見つけるためのしきい値を設定することが困難だった。同技術は、リモートセンシングで得られる変位データをNECの独自AIが解析し、橋の変位予測モデルを作成することで、「いつもの状態」を理解し、予測から大きく外れる変位がある場合に通常と違う異常なたわみがあると見なす。変位予測モデルは、橋の長手方向の位置によって異なる変位値をまとめて扱うことで、橋全体に対する異常なたわみの閾値を簡単に設定することが可能となる。

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