ジェネシスクラウド、大阪進出や生成AIの展開を発表
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コンタクトセンターソリューションの米Genesys Cloud Servicesは10月5日、事業戦略説明会を開催した。新たに大阪でのクラウドサービス拠点の開設や生成AIの展開を発表したほか、Salesforceとの協業拡大について説明した。
説明会では、4年ぶりに来日した会長 兼 最高経営責任者のTony Bates氏が、まず事業の概況や方針を紹介した。同社では、2016年に提供を開始したクラウドベースのコンタクトセンタープラットフォームの「Genesys Cloud CX」が中核となっており、Bates氏はGenesys Cloud CXによって、あらゆる顧客体験(CX)に従業員体験(EX)を加え、それらのデータを連携されることによって、一人一人に最適化した体験価値を実現すると述べた。
同社が消費者を対象に実施した2022年の調査の結果によると、31%の回答者は、企業とのやりとりで不満を感じればその企業との関係を解消して別の企業へ乗り換えるとした。Bates氏は、この事実が極めて重いと指摘し、「従来のコンタクトセンターでは効率化とコスト削減が関心事だったが、それ以上に体験価値こそが重要になる。コンタクトセンターは、顧客や従業員とのあらゆる接点であり、ここでのデータを連携させて体験価値につなげる。持続的な体験価値の革新においてクラウドが重要な意味を持つ」と話した。
Bates氏が引用したIDC Japanの2022年コンタクトセンターアプリケーション市場の調査結果によれば、同社は市場シェア24.0%でトップにあるとのこと。国内導入は300社以上となっている。
現在のGenesys Cloud CXは、Amazon Web Services(AWS)をIaaS基盤に採用して、16の地域(リージョン)で提供されている。日本では、2016年3月からAWS東京リージョンで提供しており、2022年6月にGenesys Cloud CX導入企業とその顧客とのやりとりが累計10億件に達した。同年8月には導入企業で顧客対応するエージェントが5000人を突破したという。世界全体では、1日当たり100万人のエージェントがGenesys Cloud CXで顧客に対応し、やりとりは約4500万件、通話時間に換算すると5600万分になるという。
Bates氏は、同社が日々扱うこうした膨大なデータが強みだとし、データを活用して顧客価値を創出するGenesys Cloud CXでは、「AI Powered」「オールインワン」「クラウドネイティブ」の3つがキーワードになるとした。Genesys Cloud CXの開発には約7年を要したとのことで、同社の現在のビジネスではその成果が高まっている状況のようだ。Bates氏は、主要なCRM SaaSベンダーの中で同社が最も速く年間経常収支(ARR)の10億ドル突破を実現したとも紹介した。